自然界の声に耳を傾ける


暑い暑い京都と金沢から 戻ってくると共に 沖縄の沖合いでぐるりと迷走していた台風が動き出しました。  しかしながら今年の台風は 独特の天気図からも読み取れるように 速度が非常にゆっくりで 勢力の大きなものが多く  各地での被害を大きなものへと至らせてしまっています。
盆地の山梨では 隣県での被害が大きな時でも 四方の山々に囲まれている地形のお陰で 台風が上空を通過する程度のことが多いのですが、 今回は 県内各地域へ大雨と強風をもたらしていきました。   山間部の道は寸断されて 孤立した集落も出ましたし その他の交通網も長い間不通となりました。    前回の台風で既に これまでに無い降水量を記録していた後間もない事もあって 土砂崩れ警戒のニュースのテロップや 市内の防災無線や 地区の消防団の車が回って 呼びかけられました。

丁度 京都〜金沢から帰った翌日に 娘の学校でのPTA懇談会があり  いつもであれば広範囲からの通学に合わせて 長野県内居住者は別の日なのですが、 今回は 同時開催となりました。   県内全域からの通学者のみならず、 片道2時間ほど掛けている 長野県諏訪・岡谷地区からの通学者もあるので 県境の我が家では 多くの方々のお話を伺うチャンスがあって好かったです。
3月11日の震災時には 幸いにも JRの運休や 道路の渋滞は起こったものの 寸断などには見舞われなかったので 夜遅くなってでも無事に帰ることが出来ましたが、 被災地だけではなくて 近隣での様々な影響が、 県庁所在地の甲府市内でも 影響を受ける事への認識の甘さを感じることがありましたので 好い懇談会と成りました。
ナウマンの発見したフォッサマグナで有名になった糸魚川線に沿って 国道20号線や 中央自動車道や JR中央線は通っているのですが、 東京で生まれ育った私は かつて 千葉県沖や 静岡の群発地震などの経験がありますので  様々な事を想定しますし  以前から 公私共に 移動距離が大きいので 出先での被災も想定します。    しかし お話を伺っているうちに 山梨県・長野県に長く住んで居る人たちは 揺れに対しtの経験を持たれていないので 地震の際に起こることを想定できないことが分かりました。   
東海沖地震等の際には 県内に居ながらにしても 数日間は迎えに行く事も出来なくなる事も起こる可能性もあります。  今回のような台風での大雨の際にも 交通網は 寸断される恐れはあります。   「登下校中の万が一の災害時には どの様にすべきなのか!?」を 各家庭で子供達と話合う必要性もあります。

遠くからの通学者が、「何時に家を出ているのか?」を 毎年 調査票を提出させているものの  呑気なタイミングで届く朝の緊急一斉メールの送信時間などからも 緊張感の薄さを感じる事がありましたので  JRも 山梨管区と長野管区とに跨っていたり 途中の信濃境を越えてしまうか、越える前であるか、によっての 電車の本数や 運行情況への違いも大きくなることを県境の居住者でなければ分かり難い事をお話しましたが、 その様な事は学校やPTA本部では把握されていませんでした。   今年の学園祭の日には 朝起きた長野県を震源とする地震の為に JRが停まりました。  一旦は 運行を再開しましたが、 同じ日の夕方の下校時間帯には 山梨の東側での落雷による信号トラブルで 朝まで運休となったこともあります。     

昨年春の 重たい大雪の際には 警報が発令されたものの 想像以上の降雪量で 倒木による寸断で 6時間もの間 電車内に閉じ込められた生徒もありました。  トイレも 空腹も のどの渇きも 寒さも我慢でした。   偶々、息子は乗り遅れた電車だったのですが、 車で迎えに行くにしても 動けなくなって放置された車や 倒木に阻まれてしまったトラックなどもあって 空いていれば30分で行ける所まで 3時間以上掛かって迎えに行ったものの 帰りは更に時間が掛かりました。   どこかで暖を取りながら 朝まで待てる場所もありません。  辛うじて 夜の9時まで開いている大型スーパーがあったので そこで小遣いで 菓子パンや飲み物などを買っては居ましたが、想像以上の出来事となりました。   この時は 極所的な自然災害でしたので 互いの心をメールなどによって支える事が出来ましたが、 大規模災害の時には メールも 電話も 使い物にならないことを 改めて確認しました。 
結果として 災害時のリアル体験となってしまった家庭では 思い出したくも無い経験とは言えども 自主的な対策は練られては居ましたし 子供達も強く 賢くなっていました。

今年は何かと様々な災害が多い中で 年々、便利な生活が当り前となってきていることから 我が身を守る事への危機感の薄さを感じています。   仕事柄、JRの運行情況や 高速道路の受胎や通行止め箇所などの情報を含めて 自分で集めて 自分で思考することも含めて  日常的に テレビの天気予報の週間予報を見るだけではなくて 天気図を見ていますが、 子供達にも 天気図を読むこと等を習慣付ける必要性を感じています。   大雨や 地震の際に起こり得る交通網の寸断予測なども 各家庭の生活圏や 立地条件などからも  時々は「思うこと」が大切だと思いました。   そして 田舎ならでは特に 雲の動きや 風の音にも気を配ることで 察知できる事も多いものです。   最近は 土地の人たちでも 真夏のにわか雨の予報が出来なくなってきています。   肌で 季節を感じる楽しみをしていれば、 「自然界からの警告」も感じられるでしょう。
『知りませんでした』とならないように 『想定外』で済ませるのではなくて 各自が『備えあって好かった!』と言えることの大切さを思いました。  その為には 先ずは 耳を傾けて《 知ること 》が大切ですね。
台風の動きに合わせて 短い秋を生きる植物や昆虫や 野鳥達が活動しています。