昭和31年製 【 PRUTHUNER 】

mukku38682010-12-15

広い空に 赤く浮かび上がった 富士山を眺めながら 東京へ向かいました。  
別荘に グランドピアノを置かれているお客様より 『 古いアップライトが有るのだけれど 未だ使えるかしら!? その内に 見に来て下さいね! 』と お話を 伺った際に 都内出身で 会社員として仕事をしていた頃は 北関東エリアを担当していて 都内も 車で移動していた事を お伝えしてあった事で 今回 ピアノと出逢えるチャンスを 頂きました!
お母さまが、洋裁をされていた御宅は お孫さんが、絵を描く アトリエ として使われて来たのですが、 お引越しをする事となったものの アトリエを充実させる事などの諸事情もあり ピアノを置くスペースを 思案されていました。  もしも 未だ使える ピアノ であれば 処分は 可哀想なので 『安住の地を考える事』が、 目的でしたが、 丁度、古いピアノに 相応しそうな場所の 心当たりがあり 拝見させて頂く お約束をしました。

『 50年程前に買った 東洋ピアノ(《アポロ》等の製造会社)の《 プルッツナー 》と言う名前だったと思います。』との事。   『 多分 ブランド名は プルッツナーで 間違いは無いと思うので どの様なピアノなのか、楽しみです! 』と ワクワクしながら 伺いました。
蓋を開けると 【 PRUTHUNER 】 の プレート が、 美しく作業・加工された 《 象牙の鍵盤 》と共に 現れました。    適当な和音や 半音階などを弾いてみると  独特な 重厚ながら 華やかな 音を 響かせてくれました。 そして フレームや 響板には 特徴の在る若き日のモーツアルト(!?)の 肖像が モチーフのエンブレムや 響板の 刻印が、あり  一つずつ 昔の作りを 確認をしていきました。

中から 茶褐色に染まった 《 調律カード 》が、出てきました。  そこには 《 合資会社 東洋ピアノ商会 文京区 電話駒込(82)503 》と 書かれてあり お客様の 記憶に残っていたものは 製造会社名ではなくて 販売楽器店名だと解り それから記憶が 湧き出された ご様子で 【 PRUTHUNER 】が、家族となった日の事を お話して下さいました。 洋裁をお仕事として 著名な方々のオーダーメイドを手掛けられて来られた お母さまが、『 音楽の道に進むのならば!』と 知人の方々から お話を伺って選ばれていたらしく 『 ある日 帰宅すると このピアノが、置かれていてね〜 』と ビックリされた事や このピアノを弾きながら 声楽の勉強をされて 一旦は、ユニークな中学校の先生もなさったものの オペラの勉強を再会されたエピソード等、たくさんの 想い出が有る ピアノでした。  『 今思うと ピアノを納品してくださった楽器店の方に もっと沢山のことを 訊いておけば良かったと思うわ!』と 大学受験の頃を 振り返られても いらっしゃいました。

【 PRUTHUNER 】は 昭和20年から 浜松の 岡本工業所で作られ始めた ブランドです。  昭和29年からは (有)大洋楽器として 製造されており 《 調律カード 》には 『 昭和31年10月 納品検査・調律 』と書かれてあって  《 フレーム 》(鉄骨)にも 《 TAIYO GAKKI 》と刻まれて有りました。  後に 《 (株)プルツナーピアノ 》となった会社ですが、現在は 製造されていませんが、現在でも 大切にされて 弾かれている方々は いらっしゃいます。 

この【 PRUTHUNER 】の 安住の地が、ちょっと 気になりませんか!?         無事に お話が、まとまり 来年の 暖かくなった 《 イースター 》(復活祭)の前に 落ち着く予定となりました!  そこは、既に このブログで 皆さんに ご紹介をした事のある場所です。 更なる不思議なご縁があって お客さまが教員時代を過された  懐かしい場所の お近くでしたので 近々に別れるものの 春になって 新しい《家族》の元に設置された 【 PRUTHUMER 】との再会を お約束しました。 
ホッと一安心して 嬉しさの余りに 帰路、またまた 遠回りをして この山茶花の咲く 美しい庭園と ユニークなピアノに 会ってきました〜♪   その庭園の お話は、明日の予定です。
是非、お時間を作られて 行って頂きたい! と 思う そんな庭園です。