ピアノに アイロン掛け♪


レコーディングの準備に 伺いました。   はじめの予定では ピアノは使わないことになっていたそうですが、『 試しに 録ってみよう〜♪ 』 となった様です。    スタジオを 使用する 皆さんが持ち込んだ 《 電子鍵盤楽器 》 は 種類も豊富に 用途に合わせて 選べるほどありますが、 生の ピアノ の音は やはりチョッと違うようです。

昨日 ご紹介しました 鍵盤の柄の 鞄 の中に入れてある 《 アイロン 》 の内の 1本です。  一般家庭の アイロン とは 全く形が違います。   金属の部分が、非常に熱くなるので ドライバーの 柄 を受台代わりに 使います。  学生の頃の 実習中に クラスメイトが、電源を切った事で 安心をしたらしく 直接 机の上に置いてしまった事で 木製の 作業台を アイロン型の 真っ黒な 焦げ目を つけてしまった事があります。   電源を切り忘れていれば 火事に至るところでした。   因みに 私は ドライバーの 柄 に触れさせてしまって チョッとだけ溶かして仕舞った事があります。  また、瞬間的に 手元が狂って 皮膚に触れてしまった時には ジワリジワリと 皮膚の 奥の方から 水膨れが、浮き上がってきた事があって 暫く、ヒリヒリと 痛みました。   

《 アイロン 》の 頭の形を見て頂くと 湾曲している事が解ると思いますが、 これは ピアノ の ハンマー の形に 合わせて 作られています。   学生時代には 基本的な 使用理由を学んで 実習をしますが、 実社会の ピアノが置かれている現場は ピアノ 状態は 実に様々ですから ハンマーの素材のフェルトの性質や 様々な経験から 色々な場面で 使っています。
熱して、 使用して、 使用した後の ハンマーへの 別の作業も必要となる事もありますし アイロンが冷めるまでも 時間が掛かるので 手間といえば 手間の掛かる作業では在りますが、 使い慣れると 逆に コンサートや レコーディング等で 改めての時間が取れない場合には 逆に 大きな修理や 効果が出るまで 時間の掛かる薬剤使用よりも 手早く 効果を発揮してくれる事が多いのです。     『 道具は 使いよう 』と 仕上がり具合を確かめて思うものです。
今回も 「 どうしようかな…!? 」と 考える状態になっていたので 「 悩むならば遣ってみよう! 」と 多めに時間を頂いてしまいましたが、 結果としては 思った以上の効果があって 仕上がりを確認して頂いて 無事に作業終了となりました。 スタッフの皆さんは 調律作業が長引いてしまって  遅くなってしまった  美味しい ブランチを食べに出かけようと 準備を始めたのですが、   ピアノ担当者は 『 残って ピアノの練習をしているよ〜 。』と 直ぐに ピアノに向かって 弾き込み始めて下さいました。  一同は 『 待ちきれなくて カップラーメンなんか食べちゃうからだよ〜! 』と 大笑いでしたが、 思い込みではないと思いますが ピアノ の変化した様子や 弾き込むと 和音の 響きが馴染んでいく様子が 「 面白かったのではないかな〜!?」と  今日もまた 独り 心 の中で 『 頑張れば あんなに変化してくれるものなんだね♪ 』と ガッツポーズをしていました。