ピアノの部品【 センターピン 】

やっと暖かくなってきたなぁ〜♪ と 思ったら  又 冬景色に戻りました〜*   それでも 気温が上がってはきているので 直ぐに溶けだします。


アップライトピアノの 現場で作業する 修理の内で 多いものは 《 センターピン交換 》 と言う 作業があります。      ちょっと見難いのですが、 ハンマーの近くに有る 小さなピンが、 その 《 センターピン 》 です。   基本的に 88組の システム全ては 《 ダンパー 》 と言う 音を止める 機構 意外は 同じ物が、並んでいると 考えてみて下さい。    それぞれの関節に当たる箇所に 《 センターピン 》 が、 入っています。    それぞれの 《 センターピン 》 は 木部(一部のピアノには 樹脂を使用しています。)と この金属が、 直接当たらない様に 《 クロス 》 と言う 普通の圧縮したフェルトとは違って 縦糸横糸で 布地の様に 織り込まれている 丈夫な 《 フェルトクロス 》 が、貼られています。     《 センターピ 》 は この 《 フェルトクロス 》 と 常に接していて アクションの回転運動の支点となっています。 

交換の時機は 一般的に弾かれているピアノであれば 簡単に言えば 『 動きが悪い 』 時に 行います。   全ての鍵盤が、同じ様に 弾かれる訳ではありませんので それぞれに差はあります。   稀に 眠っていたピアノを 急に 弾く事となると  一旦 アクションごとをお借りして 自宅で 全てのセンターピンはじめ その他の部品の チェックを必要とします。   消耗部品が、 劣化・破損し始める事が、多いからです。  そして ネジの脱着だけでも 88組を 外して〜締めて〜 を繰返しますから 時間も掛かるのです。  
上の写真のアクションは 極一般的な物です。

センターピンの 交換の際には 《 リーマー 》 と 呼ぶ  丸ヤスリ のとても細いもので  ピンと こすれ合って 硬くなってしまった クロスの表面を 毛羽立たせてあげます。   それから 適当な太さのピンを 親指の 爪の面で 押し込んだ時の硬さを見て 選び直したり  左右ので受ける クロスの穴の大きさを 再び リーマーで 微調整をして 整えます。   このリーマーの柄も ボール盤を利用して 黒檀の 黒鍵から 作った物も 持ち歩いていますが、 何本か有る リーマーの太さの加減や 目の粗さなどで 一番よく使う工具は決まっています。   
上の写真の アクションは 1903年製の ピアノのものです。   

グランドピアノにも 同様に 沢山の 《 センターピン 》 が 使われています。
此方のグランドピアノのアクションは 昭和10年代の物ですが、 色々な箇所の 小さな フェルト等の 消耗部品の 状態の バラツキが出てきていますが、 それぞれに合う様に 《 整調 》 をして 整えてきています。 

此方のグランドピアノのアクションは ちょっと見難い写真ですが、 30年程前に作られた物です。    このピアノも 5〜6年 寒暖の差が激しい場所で 眠っていたので 調律の依頼を はじめて頂いた時には 時間を掛けて 《 整調 》 をして 弾き込んであげましたが、 ピアノ本体の 色々な所から 雑音が、湧き上がる様に鳴り出して  其方の対策のほうが、 大変でした。
 

アップライトピアノと グランドピアノの アクションは 全く別の楽器 と 言っても 過言では無い システムの違いがありますが、 同じ アップライトピアノでも このピアノの様に 小さな スピネット と言う 特殊な《 アブストラクト 》と言う機構を使った 《 ドロップアクション 》 を使っている楽器と 〜

〜 此方の 《 プロロング 》 と 呼ばれる機構を使った 150cmを超える 大型の ハイヒールを履かせた様な アクションは  随分と 違った 楽器となっています。
それぞれの 楽器には 関節の 支点 になる箇所には 《 センターピン 》が、使われています。