命の声を聴けました †

宮城沖地震から 10日が経ちました。
この数日 なかなか正確な 嬉しい情報が得られず、 間接的にも 多くの日本人が、 被災者だと感じ始めた頃でしたが、 未だに雪が舞うこともあるこの辺りで ちょっとの喜びを感じたいな〜 と 花を買いに行きました。  そして地震の前からの お約束をしてあった御宅へと届けたところ 『咲きました』と メールを下さいました。

色々な事が次々とあって 直接的に被災していない人たちも 日本国中で 未だに平常心が保てないままですね。
時間が有るときには 短い時間ですが、何かと パソコンに向かって  適当な単語を複数 打ち込んでは 検索をしています。   個人の方のブログで 様々な情報源を整理して 掲載してくださっているものが増えていたお陰で ちょっとの希望が持てました。

塩釜に 東京から移り住んでいた 高校時代の恩師の消息がつかめずに居ましたが、 マンションに住まわれているので 自宅にいらっしゃる時に 地震に襲われていれば 「生きている!」と信じて 名前を打ち込むと  昨日入った最新の情報が、現れました。   何度も 通じないとは判っていながらも 電話を掛けていたのですが、 昨夜 停電が回復して 電話も通じるようになり  実に小さな母校のOG達が、 連絡が取れたことを情報として 書き込みをしていました。   
そこで 再び 電話を掛けてみると  か細いながらの声で電話に出られました
喉を患われて この数年の間に 数回のOpe. を繰返されていた事もあって 体力が心配でしたが、 私の旧姓を伝えると 驚くほどにしっかりとした声で 答えて下さいました。   ずっと電話が掛かり難くなっていた市役所へ 何度も何度も電話を入れてくれていたOGが在って 『 足が不自由だから! 』と伝え 看護師をマンションへ行くように取り次いでくれていました。  12階という高い部屋を上り下りするのにも エレベーターが使えず、 窓の外は 瓦礫の山となった風景が広がり  幸いに 同じマンションに住んでいる妹さん御夫婦が、 配給になる御握りと味噌汁を運んで下さっていたそうです。
原発の 現場でのミッションを遂行されている方々が、 キリスト教徒で在る事も伝えると 『 じゃあ、大丈夫ね! 』 と 更に力強いしっかりとした声となり ご自分の此れまでの様子をお話して下さいました。

「もしかして・・・!?」と 良い予感がして 東京の兄へ電話をしました。  義姉の両親が、 釜石の海辺の堤防を向かいに 住んでいて  震災後に兄が、車で 仙台市内まで行ったのですが、ガソリンの心配があって 現場を目前にして 帰ってきていたのですが、 ネット検索を続けている中で 避難所の掲示板に書かれたメモを 写メして 配信されていた中から  両親の名前が、直筆で掛かれたものを見つけ出したのです!!
『 浜に出ていたおじいさんを お婆さんが迎えに行って 家に入ってから津波が来て  慌てて2階へ上がったら 2階だけが、舟のように流されて 瓦礫に引っ掛って留まっていたよ。   瓦礫に埋まって 階段の上に有る明り取りの小さな窓しか開かなくなっていたけれど  2日後に 消防隊員が、発見して 其処から救出してくれていたんだよ。  迎えに行ったら 「 どうやって家を建て直そうか?」って しきりに考えていたよ。  だけど 俺も流された家と 元の場所まで行って現場を見たけれど 阪神の震災ほどの限られた場所じゃなくて広範囲だし  瓦礫の山に へし折れたトレーラーだのなんだのまで混ざっていて 半端じゃ無かったよ。   助け出された窓から入って 貴重品を持ち出したりしながら  殆どのものは ずぶ濡れで 冷静に周りを眺めながら  結局、「 想い出と共に 全ての物を置いて行こう・・・。」って なったんだよ。  消防隊員や ボランティアスタッフや 色々な人たちが、 本当に とっても善くしてくれていて 感謝をしているよ。   奇跡的に助かったし 今は 東京に連れて帰ってきたから 安心して。 』 との事でした。
未だ身元が解らない方々や 不明の方々が多い中ですが、 一人ひとりの命を 人の手によって人海戦術で 確実に探し出してくださっている現場の方々に 感謝しています。   直接的には 何も出来ないままでいる私ではありますが、 間接的に 長い目で見てもらうと  きっと ちょっとだけ 「 お役に立てていることが出来ているかも知れない… 」 と思えることを 今は信じて  関わらせていただいています。     物理的に 目に見えることの判断は 割合と簡単ではありますが、 目に見えない遠いところで居ても  ずっと後になってからでも 「 役に立っていた! 」 なんて事も ありますから。
直接的に 命を架けて  任務を遂行されている方々の事を思いつつ 一日も早く 心穏やかに過せる日が訪れますように。