40歳を超えた2台のピアノの再調整♪


今日は 同い年の 2台のピアノを再調整に 伺いました。   大手メーカーのピアノと ハンドメイドの 全く個性の違う 2台です。   どちらも 永い眠りについていて  一番弾かれる 中音部分でも  《 半音 》 ( 白い鍵盤と 直ぐ隣りの黒い鍵盤までの距離 )から 《 1音 》 程、 音が下がった状態で リラックスしたクセがついてしまっている2台のピアノでしたので  ゆっくりと 何度も 弦を引張り上げて  テンションを上げて 『 ここが正しい場所だよ! 』 と 再教育をしてきました。
ピアノの 音 は 標準的に 鍵盤の数と同じく  《 88音 》 在りますが、 弦の数は 1つの音につき 3本、2本、1本と 場所によって 違いはありますが 複数本張られているもので  隣同士の 音の会談を整えつつ  それらの1つの鍵盤につき 複数の弦=複数の音 を整える作業をします。  全部で 230本ほど張られていますが、 その張力の合計は 20トンにもなります。   ですから 調律の期間が開いてしまうと  弦が緩んで 楽な場所で居心地良く クセをつけてしまいます。
1台は  タッチが軽すぎて 弾きにくかったのですが、 色々と 数多く必要だった作業内容の 優先順位をつけた結果、 全体的に纏めたものの  その軽く感じる タッチの調整を 今日まで我慢して頂いてありました。   
  
昨日は 可なり 重たいウェイトを仕込んでもらっての  ギリギリまでタッチを重たくしてもらったピアノのお話をしましたが、 今回は そこまで重たくする訳には行かないピアノでしたので  鍵盤が  約10mm下がる間に 僅かずつのアクションの動きを 指先で感じるタイミングなどを利用して しっかりと弾けるタッチにしました。
鍵盤が 動き出すと同時に アクションを下から押し上げる働きが生じますが、 ハンマーが、 弦 を叩いて 戻ってきた時の力までを 指先に感じて居ます。  と同時に どのタイミングで発音するのか!? が、 影響をしています。
昨日は 実際に ウェイトを入れて 鍵盤そのものを重たくしたピアノを  更に 《 整調 》 と言う  上記の 鍵盤の動きと アクションの動きのバランスを取る作業を 実際に弾いてみて感じた良し悪しで 調整しましたが、 今日は ウェイトは入れないものの アクションの 《 スプーン掛け 》 と言う 作業を再調整して  全体のバランスを整えました。
《 ダンパーフェルト 》 を 弦から外して 弦 を 開放して 弦振動をナチュラルな状態でさせる働きであって  逆に言うと 弦を押さえて 弦振動の余韻を止める働きをする分けですが、 その フェルトの働きをさせる 《 ダンパーレバー 》を動かす 《 スプーン 》 と言う部品を 僅かに前後させて タイミングを変えます。   写真を見ていただくと 「 本当に スプーンの形をしている! 」 と お気付きの事と思います。   この スプーンですが、 アクションの向こう側にあって フォーク型の工具で  鍵盤の有る こちら側から作業するのですが 見えない位置にあります。   低音と 高音は  普通に 右手に工具を持って 作業しますが、 一番スプーンの数の多い 中音のセクションは 構造上  左手に工具を持って その微調整をします。   調律の勉強を始めたばかりの頃は 右手に工具を持っていても なかなか 写真のように 工具が掛からないのですが、 左手での作業が多い 難関でも在ります。    幸い 私は 半分 両手利きなので 直ぐに覚える事が出来た作業です。 

  
もう1台の ピアノは  アクションの ガタや 雑音や 劣化破損した部品交換等の修理をする為に 今日は 一度 お預かりをして 自宅に持ち帰りました。
この 2台のピアノも 機能のピアノ同様に 沢山の人に囲まれての 生活を始めました。

日中は 標高1000m近くでも 20℃を超えて  寒冷地仕様の身体には 暑く感じる日だったので  夕方、 アクションと共に 帰宅をすると  庭の 様子が、 朝とは違っていました!!    楓の仲間の ハナノキは 小さな花々が開花して 木の枝が、赤く染まったように  見えました。

コヒガンサクラも 開花し始めて  眺めている間にも 花数が増えたようでした!