新しい家族との出逢い♪
先日 知人より 『 長野県の 友達の御宅のお城ちゃんが ピアノを始めるそうで どんな風に選んだら良いか、 分からなくて 困っているのだけれど 中古のピアノを探して貰う事は 出来るかしら? 』 そんな内容のお電話を頂きました。
そこで 私好みの ピアノ を探す時には いつも お世話になっている 楽器店の社長に お願いをして 在庫を見せていただく事となり どんなピアノ達が待っていてくれるのか!?を楽しみに 伺いました。
お客様からのご依頼では 設置場所と ご予算と ご希望のメーカーや ブランド等について 御相談をした上で 『 予算内で 一番好いと思うものならば 色も メーカーも 全てお任せします。 』 とのことでした。
素敵な 赤いグランドピアノも ちょっとおススメしつつ スペースの問題から アップライトピアノの中から 選ぶ事となりました。 ご近所のお友達の方が買われた 中古ピアノの値段を聞いていたそうで それを基にして 同じ位のご予算が提示された事が 後々分かりましたが、 中古ピアノを選ぶ時には 選択肢が増える金額でしたので 数台の中から 選ぶ事が出え来ましたが、 嬉しい事に 5台ほど 試弾してみても 返って 悩む事となったので 何か、 ちょっとでも 楽器選びの 切っ掛けになる 「 ヒントを貰えないかな? 」と ピアノ倉庫からお電話をしてみると 『 娘だけじゃなくて 上の 息子達も合わせて 3人がピアノのレッスンに通うことになりました。 』 と 貴重な情報を 頂きました。
改めて 5台を試弾して見ると 1台1台のピアノの これまでのプロセス的なものや 個性などが、 ハッキリと聴こえて来て 自然と 2台あった 【 ディアパソン 】 を 弾き比べ始めていました。
【 ディアパソン 】 は 後に《 オオハシピアノ 》の【 OHHASHI 】 と言う 有名なブランドを確立した 大橋幡岩さんが、グランドピアノ アップライトピアノ共に 設計されたピアノです。 現在は 《 KAWAI 》 で 作られています。
大橋幡岩さんは YAMAHA にて 後に KAWAI を設立した 河合小市 (13歳で YAMAHA に入り 数年後に 日本で初めてのアップライト悪性を作った以前から 「天才小市」と呼ばれたそうです。)の 高弟子で ベヒスタイン技師が、YAMAHA の技術指導をする為に招かれた時に 直接 指導を受けている方です。 昔の 調律師や ピアノ技術者達の間での言い伝えで 『 図面を引き始めた時には 既に 完成した時の音が、 頭の中で イメージできて 響いた。 』 と 言われています。
今回は 木目と 黒の 《 YAMAHA 》 と 木目と 黒の 《 ディアパソン 》 の中から 選ぶ事となりました。 お家が何年前に建てられていて どのような環境の部屋に置かれるか!? その様な事も伺っていましたので 色も拘らずに 楽器の音を 弾き比べました。 小さな お子さん達が、 3人で 次々と弾かれて もしもレッスンを辞めてしまったお子さんがあったとしても 後々まで 弾き続けてくれるであろう琴などもイメージしながら弾くと 自然と 『 あ〜、 このピアノだ!! 』と 選んだピアノは 5台の中で 一番歳はとっていましたが、 重厚な響きの 木目の 【 ディアパソン 】 でした。
お客様には 未だ 観ていただいていませんが、 大きな福袋を買われたような状態で 納品の日を待って頂いていますが 『 本当ならば 弾く事ができなくても 音を聴いては頂けるので それで選ばれるとよかったのでしょうが、 お任せして頂きましたので 我が家の子供達が小さかったとしたら?と思いながら 選びました。 ちょっと 歳 を取っているピアノですから 数年後には アクションをお預かりしての 修理するような事が起こる事が有ると思いますが、 殆どの部品が 樹脂製のものでは無く 木製で作られているので 長時間弾いても 聞かされても 心地好く音を楽しんで頂けるはずです。 』 と お伝えしました。
お客様は 『 多分、 連れて行っていただいても 分からないままに悩んだでしょうから 子ども達に 音を楽しんでもらいたいと思っているので 選んで頂けて 好かったです! ピアノが来る日を 楽しみに待っています。』 と 繰り返し 『 有り難うございました! 』と言う言葉を 申し訳ないほどに頂きました。
ちょっとだけ 古くなってきたピアノを 『 20年ですね・・・。 もう余り良い状態ではありませんから 買い替え時です。 』 と いきなり言い出す調律師が居ます。 (20年で古い・・・ 状態にもよりますが、笑ってしまいます。)
私達 調律師は 本来は 音を調えて ピアノのバランスを整えるメンテナンスをする仕事です。 そして ピアノの寿命を延ばしてあげる事も 仕事の1つです。 しかしながら 売ること も 仕事の1つとされている 楽器店の店員調律師や 修理が苦手な調律師は 新しいピアノに買い換えてもらえば 色々な意味で 自分にとって 嬉しい事があるのです。 もっと酷い調律師となると 折角 お金と時間を掛けて オーバーホールをしたピアノに対して 『 オーバーホールをされましたが、新品にはなりませんから 適当な新品のピアノに買い換えるか、 丁度良い それ程古くも無い中古ピアノに 買い換えませんか? 』 と言い出します。 オーバーホールをされる際に 想い出の詰まったピアノの延命と 新品のようには弾けなくても 普通に使用出来る状態に戻す事を 趣旨として 話し合いの上で 新品を買うほどの 時にはそれ以上のお金を掛けてオーバーホールをしています。 それでも 『 もう駄目ですね・・・ 。』 とか、 『 もうちょとマシな中古が在りますよ! 』 と言われると オーナーさんの心は 不安になります。 その様な場面に出逢ってしまった時に 先ずは 『 長年の自分とピアノの関係 』を 想い出してみて下さいね。 買い替えは お金があればいつでも出来ますし 中古のピアノでも 出逢いに恵まれる時には ちゃんと 楽器のほうから オーナーを求めてくるものです。
この数ヶ月で 長年一緒に過ごしたものの 引越しの際に置く場所に困って 延命させたいと言う理由で 新たな住まいを求めている 数台の ピアノ達の 新しい家族を見つけることをしましたが、 どれも とtも古いピアノですが、 新しい家族の元で 可愛がられています。 行き場が見つからない場合は 楽器店を経由して 中古ピアノとして販売される事で 今回のディアパソンのように 新しい家族と出逢えるピアノも在ります。
序でに。 先日伺った御宅の 《 アポロ 》と言うピアノは 50歳を超えていました。 調律時期が 随分と 間を開けられていたのですが、 引っ越しをしてから 来て貰った初対面の調律師に 2回ほど着て貰ったところ 『 このピアノは もう直ぐ壊れます。 新しいピアノをおススメします。』と 2回共に言われて 悲しくなって 放置してしまったそうです。 少し前に ドイツ人のお友達に 『君のピアノのブランドは 何? 』 と 訊ねられたそうで 答えると 『 それは好いピアノと触れているね! 』 と言われたそうで 《 調律をしよう!! 》 と 思われたようでした〜♪