古いピアノだからこその楽しみ〜♪


待ちに待った  ピアノ搬出入 の日です。  大抵は 搬出 or 搬入 となりますが、 今回は アップライトピアノを 京都の お宅へと移動させて  半年以上掛けて オーバーホール をして貰った グランドピアノ が、運び込まれました。
このところ ずっと 『 山の天気は 本当の変わりやすい・・・ 』 と言われるような 1日のうちでも 雨が降ったり止んだりの繰り返しです。   スコールの様に振るかと思えば、 お日さまが顔を出して 途端に夏日のような暑さまで 気温が上がるので 日中の気温差だけでも 激しい時には 標高差変わらないままでも 10℃程の上下があります。


運悪く・・・ 大雨のせいでしょうか・・・!? 中央道で夜中に起きた 大型車の事故渋滞が、 朝まで 通行止め を引き起こしてしまって  運送屋さんは大慌てでした。  結局 渋滞の中、 通れる甲府まで来てから 先に 駅の近くのお客さま宅へ ピアノを届けてから  標高の高い所まで 上ってきました。
丁度 お天気も先ず先ずだったので 『 好かったね! 』 と言いながら グランドピアノの搬入経路と 古くて重たいアップライトピアノの 搬出経路を シュミレーションをして 確保した途端に 雨・・・ 。
見た目には小さなグランドピアノを 先に運び込んでから アップライトピアノをトラックへ積み グランドピアノの組立作業となったのですが、 その小さなグランドピアノが 可なりの曲者で 昭和14年に作られた 外側のケースが、硬くて比重の重たい サクラ を使っていることを忘れていたので  ピアノには 厳重に雨よけの布団を掛けながら 運送屋さん達は 雨に濡れながら  僅かの道のりでしたが、足元も柔らかい事もあって 少しずつ少しずつ進んでは休んで〜 の繰り返しで 楽器を大切に扱ってくれました。   雨で濡れているのか!? 汗をかいているのか!? 判らないほどに 大変な作業となりました。

トラックに積み込む アップライトピアノ も 古くて ハンドメイドで作られている楽器ですから JIS 規格に当てはまるものの  一般的な ピアノよりは重たくて 幅も数cm 広いが為に かつて別のお宅では 防音室に入れるのになかなか入らず、 結局 僅か 1〜2cm程の為に 運送の超ベテランチームの その日の最後の仕事が終わってから 駆けつけて貰っての 搬入 となったこともあります。
運送屋さんは 渋滞に巻き込まれて この重たい2台のピアノ達の搬出入を終えてからも 未だ2台のグランドピアノを 帰るルートからちょっと外れた小学校と 中学校に搬入しなくてはならなくて 始めのうちは 時計を気にしていましたが、 一生懸命に グランドピアノを磨いてくれました。

さて 私がはじめて出会った時には 『 粗大ゴミ 』 と 呼ばれていた グランドピアノ でしたが、 細かく 使う部品や 作業内容などの指示を出して 修理をして貰った 仕上がり具合 の 状態確認の時がやってきました。
お客様に 弾いていただくと 思わず 『 ぶっ、 』 と 噴出す始末。  修理の際に使われた 特注のハンマーが、 部品となってから 未だ馴染んでもいないうちに ピアノの一部となったことも合わさって 『 派手で 可愛らしい音 』 と それまでのガタガタながらにもバランスを取って 弾き込んできた 2年間で発音するようになった音とは 大きく変わっていました。  しかしながら 噴出す程度 の面白さであって 全く違うピアノになってしまった訳ではなくて  面影がちゃんと残っていながらにして  古い個所と 新しいパーツのアンバランスさが、 とても可笑しくなったのです。
数分間 弾いているだけでも どんどん音は変わっていきました。  その音を聴きながら 自動的に 「何の作業を どの様にして行こうか!?」が、料理を作る時に 調味料の加減をするかのように イメージが、湧いてきました。

数日後には この ニューフェイスのグランのピアノを もうちょっと整えて 更には 丁度いらっしゃる来客の皆さまの前で お披露目を兼ねて ピアノのお話をさせて頂く事となって居ます。   そして 京都へと アップライトピアノを追いかけて行っての 調律作業も あります。
そんな時に限って パソコンが不調で モデム交換待ち・・・。  原稿が書けませんし ブログの更新もたまる一方でして。  でも どれも楽しみな作業ですから 頑張れるのですね。