道具は使い様〜

昨日、庭先に 早咲きのクロッカスを見つけました。  今月 4日から5日に掛けて降った雪も 未だ融けきって居ません。 5日の朝には シャーベット状の雪が、予報以上に積もって仕舞って 中央道が、事故処理と 安全確保の為に 須玉〜諏訪までの上下線で 通行止めとなりました。 仕事で ワインの産地の勝沼まで行く予定でしたので 早めに家を出ましたが、重たい雪の為に 道端の竹や 木々がしなって仕舞い、いつもならば30分と掛からない須玉I.C.まで 1時間近く掛りました。 『注意していても 相手が勝手に滑ってくることもあるから 気を付けて!』と 近所の方に声を掛けられましたが、車と言う道具も使いようで 後続車にあおられても 『抜かしたいなら 抜かせば!?』と 中央道から下されてしまった大型車などとの擦違いの際には、日ごろから通り馴れて 道を知っている私の方が、早め早めに止まって 確実に擦違えるように心掛けました。 プロの大型車の運転手たちが、必ず挨拶をしてくれます。 普通車の免許を持っている人たちも 初めての免許更新時にでも 体験で 大型(現在の中型)運転をしてみれば、大幅に事故が減ると 20年程前に大型免許を撮った時に感じましたが、改めて思いました。

今朝から 冷たい雨が降っていて 夕方から雪に変わりました。  先日のこのブログで書きました FMのリスナープレゼントに当たって送って貰った テニスラケットを持って インドアのコートがあるテニススクールへ 体験レッスンに行ってきました。  山梨へ越してくる前に住んでいた 埼玉県では、3か月で ¥3150 の破格値の市民スクールの抽選に当たって 1年ほど通いましたが、辛うじて20代だったので 初心者クラスでは 直ぐに物足りなくなる筋力や体力がありましたが、あれから15年程が経ちました。 更に チビッ子レスリングのコーチから遠のいて 1年半ほどの間に すっかり身体がなまって仕舞っていました。  仕事には支障がありまが、 元々 スポーツによる万年脱臼癖があるので 適当に肩と上腕の筋肉を維持しなくてはならないのですが、 数か月前に 肩の腱を伸ばして仕舞って 軽い筋トレさえも控えてしまったことが、今回の体験レッスンで 運動不足を加速させていたことを痛感させられました。  早くも 帰宅して間も無く、筋肉痛が…。  ストレッチをゆっくりとやりました。
身体と言う道具のメンテナンスも 通常生活では気が付かないうちに鈍ってきてしまうものなので 健康診断で問題が無くても 工具の刃物を砥ぐ様に まめに色々なチェックが必要だと思いました。

先日 暫くの間、放置されていたピアノのメンテナンスに伺いました。  少々 古いと言えば古いのですが、日ごろから もっと古いピアノ達と関わっているので 古いとはあまり感じない年齢のピアノだったのですが、 暫くの間放置されていた事が問題で 作業を始める前に 弾いて見ると 状態は悪くは無いのですが、「何かが変!?」なのです。  自動演奏の装置が付いているグランドピアノでしたが、 使われていた頃は 機械による演奏が殆どで 人間が弾くことがとても少なかった事が感じられました。  作業を進めながら 音を出す回数が増える訳ですが、次第に妙な ノイズ が多くなってきて 様々な原因を考えながら 対処していったのですが、『 あれ〜!? 』と思わず声を出してしまう手応えを感じた瞬間に 弦が切れました。  年代やブランドや置かれている環境によっては、長い間 ね観っていたピアノでも 弦が切れるような事も無いピアノが多くありますが、 このピアノは少々特殊な環境に置かれていたので 減が切れ易くなっていたのです。  元々の設計が良いピアノなので これから弾いて貰う回数が増えれば、再び響きだすピアノの素質があるのですが、 断線(弦が切れる事)に至る状態には 既になって仕舞っているので お客様には 『 切れるものは切れない様に戻すことは無理ですから 切れたところからでも新しく張り直していけば、確実にバランスを整える力のあるピアノなので 弦が切れても驚かないで お電話を下さい。』と お話をしました。
 

グランドピアノの部品として この様なネジがあります。 かつては 蝶ネジ と呼ばれる 蝶の羽を広げたような形をしていた物ですが、一部のメーカーでは この様な形になって居ます。  特に どの様な問題が生じたのか?は、判りませんでしたが、 1台に 2本使われているネジの1本が、加工されていました。

工業製品の量産化が進むにつれて マイナス(−)のネジ山から プラス(+)のネジ山へと 変わりました。  今でも 敢えて マイナスのネジを使っているメーカーもありますが、作業効率の点から 多くのネジがプラスです。  写真上の特殊な蝶ネジが、 破損などの何らかの不都合が生じたのでしょう、このように マイナスネジに 作り変えられていました。  グラインダーなどの工具を使った様でしたが、 ここまでに加工することは 「結構、大変だったろうな…」と 『 市販されている専門工具は 使い易く自分で加工して それでも使い難い工具は 自分で作りなさい 』と教え込まれてきたので 多くの場合には メーカーから同じ型のものを取り寄せる技術者が多い中で その工程や労力を想像して 楽しみました。
新しいものを作り出す製造の技術も一応は学んでいますが、 工場から送り出されて 様々な状態のピアノ達と向き合いながら 楽器として新たに音を整える職種なので 日々の工具のメンテナンスや 使い方の工夫の研究は、必要なことながらも 楽しみの一つです。 仕事を工夫している同業者の工具鞄の中を見せて貰う事も 大きな収穫と勉強になることが多くて 鞄を見せてくれる先輩たちは『 人の工具に興味持たない人が多いのに 鞄に食いつきが好いね!』と 自慢の工具を説明してくれることは 有難い事です。