ピアノも車も生き物ですね。

日差しは温かくなってきた今日この頃ですが、 今年の梅の開花は 甲府でも随分と遅いそうで 先日通った国道140号線と繋がる県道の 愛宕山トンネルの直ぐ上の 梅の名所 《 不老園 》の梅も 盛りを過ぎたのかな?とも思えましたが、未だ満開にはなって居ない様子でした。  我が家の元々は盆栽だった紅梅も 花弁が開き始めると いつも雪に当たって仕舞って 凍傷になるのですが、 今年は ちょっと膨らんだものの 未だに固いままの蕾です。
先程、愛車のアベンシスを車検に出したのですが、気候がその様な調子なので いつもならば序にやって貰う 冬用タイヤから 夏タイヤには 未だ履き替えられる状態では無くて 代車のパジェロミニも しっかりと冬タイヤを履いたまま来ました。 工場に入って間もなく連絡があり ちょっとした消耗劣化箇所のトラブルがあったので 車検を通す為に修理をして頂くのですが、部品を扱っている月曜日の今日は トヨタは定休日。 明日以降に 発注となるのですが、アベンシスは 名前がフランス語の通りにフランス工房デザインで イギリスで作られている車なのですから「部品が直ぐに手に入るのかな〜!?」と ちょっと心配です。  以前に 日産の ハッチバック仕様の ブルーバード・オージーに乗っていたのですが、これもオーストラリア逆輸入車で 購入後直ぐに傷をつけられて仕舞い 外装修理となった時に 塗料をオーストラリアから取り寄せた事がありましたから それに比べれば、時間は掛らないと思います。
 

朝夕は まだまだ氷点下になりますが、 屋内の窓辺は 暖かくなってきたので 猫たちも NOЁL も日向ぼっこを楽しんでいます。 植物たちも冬眠が覚めつつあります。  カランコエの花は 手軽なお値段と 育てやすいので お馴染みだと思いますが、このカランコエは 花が開くまでに 色が変わる変わった品種です。  開花を楽しみに 蕾を眺めていたら 何だかちょっと肥満体の蕾が…!?  開くと双子ちゃんの1輪でした。  カランコエの繁殖は旺盛なので 双子ちゃんの遺伝子を増やせるのではないかな!?と 密かに思って居ます。  偶に出逢うから 嬉しい事でもあるのですが。  双子と言えば、随分と前ですが、卵の1パックの10個の内 9個が双子ちゃんだった事がありました。 毎日毎日、卵黄の双子ちゃんとのご対面には 驚きつつも とても楽しい数日間でした。
  

ピアノの調律の依頼は 市内の私設新聞などの広告を見て下さったり ピアノの先生方やお友達からのご紹介はじめ 色々な形で来るのですが、特に 古いピアノであったり 変わったピアノの場合には 運んだ運送屋さんが 何気なく『 重たい 古くて しっかりとしたピアノですね! 』と言う話題から 『 古いと もう駄目なのかしら? 』と 移動の依頼主の方との会話から 『 女性の調律師ですけど 古いピアノが好きな人ですよ。 』と 紹介に至ることが、多くあります。  そんな時には 普通の調律師は持ち歩かない工具を必要とするピアノもあって 『 持っていて好かった! 』と思う事もあります。  めったに使わない工具でも 「 せめて車の中に積んで置けば良かった… 」 と後悔することが嫌なので 調律師として社会に出てから間も無く 直ぐに車での移動に変えました。  その当時は、バブルでしたから 実に様々なピアノ達との出会いの毎日で 伺うお宅のエリアも広くて 1日の作業件数もとても多かったので 兎に角、自分でできる範囲の修理や調整に必要な工具や部品などは、持ち歩いていました。  その癖がついて仕舞って居る事もありますが、関東平野から秩父連山を超えて 山梨の特殊な気候や環境の場所に越して来てからの仕事は、また違った意味での 特殊パターンの連続です。 他県から移動して来たり 同じ敷地内でも古民家とも呼べるお宅から最新式のお宅への移動などもありますから 同じピアノとは思えないほどに 数日の内に表情を変える事が、少なくありません。   KAWAI楽器の調律師たちは 各県のKAWAI楽器の支店勤務なので 転勤で 山梨に来る人たちもあります。  ピアノ調律師協会の研究会や懇親会で一緒になると 一般的には 【 同業者=ライバル 】 になるので 会話が弾み難いものですが、『 ○○○○みたいなことあるよね〜! 』と 甲信越の独特なピアノ達の変化が話題になります。  任意で 都内での研究会などに参加する人達ですから 勉強熱心なことは間違いがありませんが、 都内や各県の馴染みの顔ぶれは、工具の使い方や技術開発に頭を働かせています。  その様な人たちの中で 関東平野では起こらないであろうピアノの珍事件を話題にすると 『 何か、とってもありえない苦労… しているね… 』と驚かれます。  その中で『 あるよね〜! 』と 同調してしまうのが、山梨組。  調律師協会関東支部の中でも特に 『 仲がいいね! 』と言われる 不思議な山梨の調律師協会会員です。

古いピアノと出会うと 先ずは 掃除などをしながら 全体的に観察をします。  作業に入ってからも 観察は続きますが、 昔の職人さん達の技を見つけると とても得をした気持ちになります。
上の写真は 《 ハンマーヘッド 》で《 弦 》を叩いて振動をさせて そのブルブルと震える振動を スピーカーの役割の《 響板 》に伝えるための《 駒 》と言う箇所なのですが、何かの理由有って ヒビが入ってしまったのでしょう。 中途半端な木材のヒビ割れの場合には、擦れてしまって 雑音が出てしまいます。  ヒビを埋める修理をしてあげればよいのですが、調律の現場では スペースも 予算も限られていることが多いので その場で出来る事を考えて お客様への様々な負担も少なくて ピアノも殆ど変わらない響きを取り戻すことが多くの場合に求められます。
今回 発見した 随分と昔になされたであろう処置は 振動を伝える大事な《 駒 》の一部分に割れが生じていて 本来ならば 埋めるか、新しい駒を作ってあげる事が理想的ですが、 そもそもの作りが良かったので 逆転の発想から適当に幅を広げてしまって  雑音防止のフェルトを挟み込んだものでした。  雑音防止には 多くの場合に ピアノの部品として多く使われているフェルトを 調律師も持ち歩いて居る事から 使いますが、どのように使うか!?は 表には見えない箇所での調律師の思考力と腕の見せどころでもあります。  完璧を求める調律師(!?)の場合には この様な状態に至っただけで 『 もう駄目ですね。古いからですね。 』と 新品のピアノへの買い替えを宣告することでしょうが、 長年共に過ごしてきた家族の様なピアノを 出来るだけ元気な状態に保つことが、本来の調律師の仕事と思って 多くの技術者たちが守ってきたピアノを引き継がせて頂いています。
このピアノは 調律の期間が開いて仕舞っていて やりたい作業が山ほどあり 優先順位をつけての作業中に少々暴れましたが、バランスを取り戻し始めると 素直なピアノでした。 更には 前回のブログで掲載した意外なる工具にて 昔の音を取り戻してくれました。  想像以上の変化の仕方でしたので 毎日弾かれている御嬢さんも ご家族の方も 『 こんなにシックな感じに変わるんだ〜!! 』『 こんな感じの音だったんだね! 』と驚きつつも 『 電子ピアノに買い替えなくてよかった〜♪ 』と 改めて ピアノの良さを実感してくださいました。