今週のお題「桜」そして 流れる時間とピアノ達〜♪

年度末、年度初めを迎えて 何かと変化の多い事と思います。  今年の私の新年度は、毎年の諸手続きなどの更新はありますが、 子ども達も大きくなって 学校行事の色々なものも 各自が済ませるようになったので 特に大きな変化も無く 久し振りに穏やかに迎えました。
4月4日は 《ピアノ調律の日》なので 部録を更新しようと思いましたが、今更ながら…の7日です。 興味のある方は 昨年の4月4日をご覧くださいませ。
仕事で 中央道を頻繁に利用しますが、 引越し業者のトラックを多く見かける時期です。  ご家族と共に 山梨へとやってくるピアノ達もあります。  人も環境が変わると 何かと体調や メンタル的にも不安定になりますが、 楽器も同じです。 特に 盆地・高地・寒冷地〜 と 特殊な地形の山梨県では、関西地方や 関東平野から移動されたピアノ達は変化が大きいものです。  勿論、同じ県内を移動しても 47都道府県それぞれに 環境は 家の構造や 地形的な変化があるので 変化をします。
お引越しをしてこられたピアノ達は 特に 新しい生活を始められるご家族と同じように 特に念入りに 内部の掃除をする様に 心掛けています。  毎年、調律に伺っていたこれまでの調律師が、きちんと掃除機と 汚れても良いタオルをお借りして 掃除をして居たピアノの方が、意外にも少ないものです。


引越しをするまでに 何年間も 調律をする機会を失ってしまっていたピアノもありますので 内部の点検をしながら 掃除をします。  内部の点検をしながら 掃除以外の《 整調 》の内部アクションが、潤滑に動くように調整する作業をしていくのですが、 毎日 沢山弾かれているピアノは勿論ですが、 作られてからある程度の年数が経ってしまって居たり 暫くの間、弾かれることのなかったピアノは 部品が 消耗・破損個所が生じています。
少々お時間を多め位に頂いて 只今、2台のアップライトピアノのアクションや 鍵盤ををお預かりして 修理をしています。  作業を進めていくうちに 意外な部品の破損が見つかる事もあって 大抵のものはストックしてありますが、 急いで 調律師専門の工具・部品屋さんへ 注文を出さねば 修理が進められない事も生じてしまいます。
今回のご紹介する写真(↑)は よく見て頂くと 木製の部品の上部に ひも状の部品があるのですが、 上段の ひも状の部品が、 元々は 茶色のものでしたが、劣化破損しています。  色違いのものを付け替えたものもありますが、 現場での作業だったのでしょうが、本来の長さとは 全く違ってしまっているので 下段の様に きれいに一旦外します。
 

(↑)細い溝に残った部品や接着剤を取り除いて 新しい部品を取り付けて 好く砥いだ刃物で整えます。  88組の部品をこのように脱着しながら 点検して 必要と判断した箇所は、作業予定以外の事でも 一手間加えて整えるだけでも 仕上がった時のタッチの粒がそろうので 地味な作業ですが、その時を楽しみに アクションと向かい合います。


日々、修理作業を進める中で 2か月ほど前にご連絡を頂いて 4月5日に 予定をしていた 川越へ行ってきました。 天気予報では 暖かくなるとのことでしたが、朝 9時のお約束に向けて 車を走らせていると 段々と車の中も暖かくなってきて 途中で 暖房から 冷風に温度設定を替えました。
今日 4月7日に 102歳のお誕生のお祝いの会で ピアノを演奏して頂くためです。  今頃、もう直ぐ1歳になる曾孫ちゃんも 一緒にお祝いをしている頃でしょう。  1世紀以上の時を経験されていらっしゃる方がお住まいの 高齢者ホームへと住まいを移した 1865年頃に作られたピアノです。  ピアノそのものが高齢なので 激しい演奏には耐えられませんが、 毎週 讃美歌を奏でているのです。  このピアノのお話は 既に何回か ブログに書いてきていますが、 後日改めて 書きたいと思います。

川越に向かう為に 比較的に空いている道を選んだので 関越自動車道三芳SA から ETC で下りましたが、 ふじみ野市や上福岡の辺りでも 満開ではありませんでしたが、お花見が楽しめる程に 桜が咲いていて  標高900M近い我が家の庭では やっと梅が咲き始めつつあるので とても嬉しい気持ちになりました。  桜の花は、何か不思議な力がある様に 毎年感じるものです。

何年も前の話ですが、 子ども達が学校で色々なトラブルに巻き込まれて 家族で辛い時期を過ごした事があります。  その時に 長野県の高遠城公園へ 満開の桜を見に行きました。  人の心は 意図的に相手に対する態度を変えることが出来ますが、 自然界の四季折々の中で営む力は 嘘偽りが無く 寒い冬を耐えた蕾が開花させたからでしょうか、桜の花たちが「ほら 今年も咲いたでしょう。 大丈夫。」と 語りかけてくれるようでした。  そして高遠城市公園に植えられている コヒガンサクラの苗を買って 庭に植えました。 細くて 簡単に折れてしまいそうな苗でしたが、 年々 成長していく姿は、子供たちの成長と共に 嬉しいものでした。  なかなか花が咲かなかったのですが、ある年に やっと細い枝に 花芽 を着けてくれました。  その花が開花した時には 長年頑張ってきた辛かった時期を乗り越えることが出来た時と 丁度 同じ時でした。  調律に伺った時に 『 今だから話せるけれど… 』と 育児経験者の方々が、お子さんの学校等での 辛い経験を呟かれることがあるのですが、 そんな時には 我が家の庭の桜の話を 自然とお話している事があります。  自分の事ならば、自分の判断で物事を進める事が出来ますが、 相手がある状態でお子さんの事で悩まれた方々は 特に義務教育の間は 「普通ではない」と言う世間からのレッテルもある事が多いので ご家族で辛い時を過ごされていますから すっと前に乗り越えて 解決をしていても 重たく苦しい心の傷は癒えていないことが多いので 『 家もね、 』と 似た経験をした人との出会いは「理解」「共感」と言う言葉では言い切れない 安心感の様なものを生じます。  言葉ではなく 表情で通じ合えるようなものです。
そう言えば、辛い最中ではありましたが、 『 今年は 小学校の桜が見られないな… 』と 身体を壊してしまっていた息子が呟いた時に 体調の急変も心配しでしたが、買い物へ向かう途中で 夕方の小学校の校庭へと 桜を見に行った事があります。  車から降りる事が出来ない程の体調の良くない息子でしたが、『 お母さん、ありがとう。 今年も桜が見ることが出来たよ。 』と言ってくれました。  夕刻の 桜色が最も濃く見える時で その色の美しさに思わず 娘と共に 息子も車から降りて 桜の下のブランコを揺らし始めると 突然、強風が吹き 映画のワンシーンの様な 物凄い 桜吹雪 に覆われました。  子ども達が、夕暮れ時の桜吹雪の中でブランコを揺らす姿を いつも心配して下さっていた先生方が見つけて 遠くからですが、優しく声を掛けて下さいました。  その日から 息子の体調は次第に回復していきました。  お陰様で息子は 高校生になってから Japan を背負って レスリングでアメリカ遠征にも行きました。  そんな息子のお蔭で 命永らえたピアノ達と ピアノとの出会いをしたユニークな子供たちのお話も 少しずつ書きたいと思います。  
現在は レスリングからは離れた息子ですが、 新たな目標を持って 世界へ向けて 奮闘中です。 そのお話は、6月中旬に〜!? (結果次第です。)

日中の気温20℃の川越から帰宅すると 我が家は雪降る中にありました。(勿論、日帰りです♪)