8月〜9月人災・天災を考えつつ修理作業の日々


大変長らく ご無沙汰を致しておりました。 今朝は、久しぶりに 雨が降って 心身ともに ちょっと休息が出来たような気分です。  しかしながら この連日の猛暑… 皆さま、如何お過ごしでしょうか?   標高900m程の我が家でも 日中は 30℃を超え、この数日前から やっと夕方位いから 涼しい高原の爽やかな風〜♪ が、吹き始めています。

「貧乏暇なし」「自転車操業」の言葉通りに 相変わらず、走り廻っております。 先日、比較的に近い場所での仕事でしたので 移動距離は大したことはありませんでしたが、 特に暑い日でして 甲府での 午前中の仕事を終えて 車に戻り 走り始めて間も無く、目を疑いました!! 「 車の温度計の表示の意味が分からない…。 思考回路が鈍っているから理解できないのか…!? いや、これは体温計? まずい… タンパク質の凝固が始まる高体温…」 よくよく見ても数字は変わらず。 アスファルトの照り返しもありますが、通りでお客様のお宅のエアコンが効かない訳でした…。


そうかと思うと 遅い初夏の訪れの頃に 気温が異常に低かったこともあって 花芽が伸び出した シンビジューム です。「この暑さでは、直ぐに花が枯れてしまうだろう… 」と思って居たのに 見事に咲き始めました!  そして その他にも この暑さの中で 暑過ぎて仕舞って 休眠状態に入っか!?の様に 未だに花芽が、次々と伸びてきています。
その様なこの不安定な天候の中、4年に1度の当たり年の 国蝶・オオムラサキ が、やってきました。 シンビジュームに止まるのは、身体の大きな メスです。 季節の全く違った 花と 蝶の 写真が撮れました。 

そして 勢い余って 家の中まで飛び込んできてしまう 美しい色彩の オスです。  オオムラサキは 羽ばたく動作もしますが、グライダーのように滑空するので 見上げる頭に観察しても 地味な蝶ですが、 2階の窓からその姿を眺めると 色彩と言い、飛び方と言い、 非常に 目を楽しませてくれます。



昨年、移転して開園した保育園へ お伺いしました。 園庭には 子ども達が種から育てている アサガオが咲いていました。 向日葵の方は なかなか上がってこなかった気温の為か、立派な葉っぱながら 「これから背が伸びますよ〜♪」 といているような感じがしました。
このところ 耐震工事の問題などがあって 改修工事や建て直しに伴って だからと言って「休園」とはいかない施設なので 大変です。 しかしながら 新しくなった園の作りは、どこも天井が高くて バリアフリーで 効率よく使え 壁を減らして スペースに ゆとりが出来て 開放的です。 小さな子供たちの多くは、そこで小学校へ入学するまでの何年間も過ごすので 大変な中にも 良い事が沢山あります。

移転に伴って 親しい方から譲って頂いたピアノは、子供たちに囲まれて 毎日を過ごしていました。  掃除をしながら 環境の変化にも伴った 故障個所などが無いか?を点検していくと… ハンマーヘッドが大きく横揺れする箇所が見つかりました。 一般的な幾つかの理由を基に 部品を外して 作業を進めてみると、「何だかおかしい?」のです。 よくよく観察して見ると 先手園的な部品の破損による事が判りました。  小さな突起の箇所が、半分割れてしまっていて 残った箇所で 支点となるセンターピンと言う細いピンを支えていたのです。  中音部のとてもよく使われる音なので そのままのして置く訳にもいかず、他の修理の際に出来た副産物とは言い難いものではありますが、その様なものでも利用して 応急処置をしようかな?とも考えましたが、主任の先生に 状況を見て頂いて状態を説明して 丁度、そのピアノのブランドを作っていた機種は違うものの 同じサイズの部品が、車の中の工具箱の中に有った筈! という事で 部品交換の作業をしました。

作業効率を良くするために 接着剤として使われている膠(ニカワ)に 熱を加えて溶かして 外すのですが、年数や膠の質などもあって なかなか緩みだしてきません。 仕方がないので 先端に破損個所のある平たく比較的に大きなバットと呼ばれる部分に 気をつけながら熱を加え続けて 中に埋め込まれている ハンマーヘッドを支えるシャンクと言う棒を焦がさない様に ギリギリまで熱を加えて行き 焦がして木部の組織が弱まって 中の膠にも多少の変化が出てきているであろう頃に よく砥いでおいた刃物を 木目に沿って突き立てると 見事に簡単に バットが割れて 中から必要なシャンクが取り出せました。
1つだけ 色の違うものがありますが、サイズはピッタリだったので これで安心して弾いて頂けます。 土曜日に窺ったので 園児たちの人数は少なかったのですが、仕事を終える頃には、数名が 先にお迎えがくる友達を見送りながら 親御さんのお迎えを ちょっと寂しそうに待っている様子でしたので アンパンマンと トトロを弾いてみると 帰る際に玄関へ出てきてくれて 「アンパンマン弾いてくれたでしょ? ありがとう!」「トトロ、また弾いてね!」と声を掛けてくれました。 「うちのお兄ちゃんとお姉ちゃんは もうとっても大きくなったけれど みんなと同じように 保育園に通っていたんだよ。 お父さん、お母さんも頑張ってお仕事をして 急いでお迎えに来てくれるね! またピアノの音を直しに来るから その時にまた弾くね。」と 約束をしました。
 

保育園でも 耐震についてのお話をさせて頂きましたが、 少し前ですが、静岡県の三島に住まわれていらっしゃる方からのご要望で この商品を取り付けてきました。  震度7 にも耐えられるもので ピアノと 床に ゲル状の耐震シートで固定をして 尚且つ その間の金属部分は、地震で揺れた際に フリーな状態で 適度にピアノの動きに合わせて動くことで 掛かってくる「力」を逃がす構造です。  比較的に新しい商品なので 改良の余地は多々ある様に感じましたが、考え方としては 縦揺れ横揺れにも適当な効果を発揮して ピアノの移動を最小限に留まらせてくれそうです。  昨年の震災以降に 耐震に関するご相談が増えました。  これまでの商品が品薄となった時期もあり 新しい商品が開発されています。 但し、どの商品も必ず、どのピアノにもセッティングできるものでは無く 全く取り付けられないものから 工夫をすれば、付けられて 更に返って効果が期待できるであろうと思われる物もあります。  しかし飽く迄も 耐震テストを通過した商品は、条件が整った状態で行われていますので ピアノの置かれている環境や 家の構造や建築年数や床材の状態、ピアノの重量なども ブランドや年代によっても違いますので 絶対的なものではありません。  しかし 日頃から 万が一に備えて シュミレーションしたり 予防策を講じることは大切ですね。
ピアノの事で 何か、判らない事などありましたら どうぞご相談くださいませ。