ピアノの音の響きを聴き分ける為にも 季節の変化を感じましょう〜♪

今日は お天気が崩れてしまいました。  それでも お客さま宅へ向かう道中の山々に 山桜 が、 咲き始めていました。   今年の天候が、 ちょっといつもの年とは違う( この数年、そうですが・・・ )ので 園芸種の 桜を追い駆けるように 標高の低い所から 次々と 咲き始めています。

昨日 帰り道に 一番 花が沢山見られそうなルートを選びました。   清春美術館は この様な ユニークな ラ・リュージュと言う名の エッフェルが設計したアトリエを模した 宿泊施設完備のアトリエの在る美術館です。   白樺派や ピカソや ルオーなどのコレクションを常設しつつ  季節展で 夏には 東山魁夷展などを催しています。   ルオー礼拝堂には ルオーが製作したステンドグラスや 自ら彩色した キリスト像があります。  草刈オルガン工房のパイプオルガンも有ります。    元々 小学校だった場所なので 素晴らしい 古木の桜が見事です。   昔は 古い校舎が残されていましたが、 老朽化が進んで 取り壊されました。     エッフェル塔の改修工事の際の 解体した螺旋階段の一部も オブジェとして 庭に置かれていますし  梅原龍三郎 画伯のアトリエだった自宅を移築展示しています。   

ちょっと山道を行くと  八ヶ岳をバックにした 並木道が、 見えてきます。  この日は 此処の近所に 週末だけ戻ってくる 東京半分在住の友人が、 シーズーの 三平クンを連れて  丁度 この場所で出くわして  お互いに 『 何で 居るの!? 』 と ビックリしました。  自称にゃんこの NOЁL の 貴重なお友達で 『 三平! NOЁLへの お土産の匂いをつけて〜☆ 』 と 抱っこして 久し振りの対面を楽しみました。 

友人と 三平と別れて 並木道に入って 振り向くと 甲斐駒ケ岳が、 そびえていました!!   元々 この辺りは 乳牛を飼う農家が多く 今でも 数多く残っている地区です。   飼料用の 牧草や トウモロコシを育てている 広々として  この先の ゴルフ場を目標にした人以外は 観光客が通る場所ではありませんでしたが、 もう随分と前に 苗木を植えて 『 こんな所に 何で桜なんだろうか〜!? 』 と 子供心に思ったものですが、  咲き始める様になると 口コミで 毎年 写真を撮りに来る人たちが増えました。  車を停めて 写メしていると クロネコヤマトのお兄さんが通って 『 お〜い!! 』と 手を振っていってくれました。   レコーディングスタジオなどで 仕事をしていると  時々 スタッフが忘れてきた機材等を届けに来るのですが、 車を見て 曲になっていないピアノの音が聞こえると 私が居る事が解ってしまうので  返事をして 顔を出すまで  配達関係の各社の皆さんは 帰ろうとしません。  『 代引きや着払いは嫌だよ。 ¥1000以下までね。 』と 冗談を言いながら 結局 スタッフの名前の代筆じゃなくて うっかりと自分のサインを書いてしまって 『 判るから良いよ〜! 』と 呑気と言うか、 信頼関係と言うか、 確実に スタッフの元へ渡る事を確信してくれているので  此れも 感謝かな!?  名前で 直ぐに判ってしまいますし。
 

さて 今日は 50年程前の ピアノの調律に伺いました。   ココちゃんという 超美人のロシアンブルーが、お出迎えをしてました〜    別荘に置かれていらっしゃるので 調律の間が、 開いてしまっていた事もあって  少々の修理を必要としつつ  細かな調整をして  全体のバランスを整えました。   音のほうも ユニークな狂い方をしていて  別荘の環境に やっと馴染んできた状態でした。
『 鍵盤が浅く感じるのですが!? 』 と 調律の一通りの作業が終わってから お客様から伝えられたですが、 指弾して頂くと 『 深くしてくださったのね! 』 と 言われましたから  鍵盤の 高さ・深さの調整は整えましたが、
全体的に 大きく変えることはせずに  アクションのそれぞれのバランスを整えた事をお伝えしました。

真鍮に ニッケルメッキされた 素敵な鍵が、2本とも 紛失することなく ちゃんと有ったので  見ていただくと  その細工の細かさに 関心を持たれたようでした。   グランドピアノ型に模られて ブランド名の 裏側には エンブレムが入っています。   この様な 遊び心 は 昔の 物つくりに関わる人の多くにあったように思います。  無駄のように思えるものでも 50年経っても尚 受け継がれていると  当時の職人達は思って作ったことだとは 何となく感じつつ。

そして 鍵盤の 最低音には 墨で 責任者としての サインと捺印が、 ありました。  ハンドメイドの ブランドには 製作者や 設計者のサインを 昔は入れることは ありました。   同じ年頃の もう少し古いアポロピアノも 調律をしていますが、 このピアノは 何か 余程の 思い入れの有る 1台だったのでしょう。
ドイツ人のお友達の方に 『 貴女のピアノは どんなブランド!? 』 と 尋ねられたことがあったそうで  そこから 暫しの間 ブランドの話になりました。   結局は 好みの問題なのですが、 ピアノの音を 《 聴き比べる 》 《 響かせ方を試す 》 等、 日本人の多くのピアノを弾かれる方々は 試みられたことが、 実に少ないことをお話しました。  そして オーバーホールや 調律時に 修理をすることなどをせずに 使い捨てのように  ピアノを扱っているように感じると お友達のドイツ人の方から言われてから  後自分のピアノに対する 見方が、 変わってきたようでした。
丁度 同じくらいの年頃の アポロピアノを弾かれている方々も 偶々ですが、 ドイツと関わりの有る方々で 更に 少々 若い アポロも 同様であることをお話しました。
車でも 電化製品でも 丈夫で長持ちの国産製品ですが、 適当な品物の回転がないと 経済効果は生まれませんが、  厭くまでも ピアノは 《 楽器 》 ですので  万が一 このピアノを手放す時には 『 必ず、行き先の相談をして下さいね! 処分だけはしないで下さいね。 』 と お願いをしてきました。

秘密の花園 [DVD]

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原作を読んでから 是非とも見ていただきたい1本です。   長い間 封印されていた 《 花園 》 を 子ども達の手で 蘇らせて  受継いだ 素敵な物語です。  我が家でも 娘が、 1日に数回観ていたこともありますし 未だに 時間が有る日には 見ています。    主人公の メアリーの頑固さや 自立した子ども達同士の友情を育む姿などは 馴れ合いの多い日常から 《 自分 》 を確立する為に 丁度好いようです。   大変に 失礼ながら ベネティクト16世教皇 に 是非とも ご覧頂きたい 作品です。 ( この意味は 後日改めて。)
『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット)

『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット)

更に 活字離れの現代に 《 岩波ブックレット 》 のシリーズとして 私の大好きな作家の 梨木香歩さんによる 原作の解説本があります。   子供向けの お話、としてではなくて そこに含まれている 登場人物の存在の役割の大きさなどを 教えてくれる1冊です。