【大切な心】をお伝えしたくて書いているブログです。

秋の気配を感じられるようになって来ては居ますが、 猛暑日 の 未だ続く毎日です。   陽射しが強いので 移動の運転中に 顔の右側と 右腕が日焼けし易くて 半袖の焼け跡のラインを残さないようにする毎日です。  避暑地ですが、 紫外線の強さは物凄くて 1夏・1冬 を過ごすたびに ダメージヘアーにも成ってしまいます。   

ちょっと 西洋風 に見える 富士山 をお届けします。
お盆休みは終わりましたが、 今年は いつもの年よりも マイカーの交通量が多く感じられます。
避暑地とレジャー観光地として有名な 河口湖 と 吉田のうどんで有名な 富士吉田の 中程の お客様の御宅へ 伺いました。  【 クロイツェル 】 と言う 私にとっては 懐かしさも有る ピアノの 納品調律です。   学生時代にお世話になった 恩師の1人が、 クロイツェル で 製造をしていた方でしたので 短いものの 一応の長期休暇を利用して  製造の勉強をさせて貰った メーカーです。   丁度 その頃に 『 東京ディズニーランドの 車輪付きのミニピアノを 納品したよ! 』 と 図面を見せて貰いました。   ディズニーランドが オープンした時には 某大手メーカーが特注を受けて作ったものを納めたそうですが、 弾き潰してしまって  新しい物を注文した時には 特注を受けて貰えなかったらしくて お話が回ってきたそうです。     数年後に 娘の1歳の誕生日に ディズニーランドに行ったのですが、 運良く そのピアノを使った演奏が見られて  嬉しくて眺めていたらば 外国人の演奏者が英語で 『ピアノが好きなのですね。 リクエストをどうぞ。』と マネージャーを無視して 声を掛けて下さったので  『 私の先生が作ったピアノです。 今日は 娘の 1歳の誕生日です。  ミッキーマウスマーチをお願いします。』と伝えると 『 Oh〜!!』と 驚かれて 快く演奏してくださった想い出があります。
クロイツェル には マイスターと呼ばれる 木工職人さんがいらっしゃいました。   職人気質の 優しいユニークな方で 工場から帰る際に 『 使ってね! 』 と サプライズなプレゼントを用意してくれていました。   ピアノの質の良い端材で作ってくれた 工具 を オリジナルのシールと一緒に 『 これを貼っておけば 想い出になるでしょう? 長く使ってね。』 と 恥ずかしそうに渡してくれました。

【 クロイツェル 】 のピアノ を 気に入ったのは 歳の離れた兄弟2人でした。  ブラウンの 木目調の色を選ばれたのは お母さんでした。   パソコンで 色々なピアノの音を比較して 繰り返し聴きながら選んだそうです。   決め手となたのはお兄ちゃんが 『 黒鍵 が 指触りの好い 黒檀 だったこと 』 と言った 一言との事でした。    ピアノの中の アクションに張られている シールと 私の工具の シールを並べて見て貰うと 『 同じだ! 』 と 弟くんは声を上げてくれました。


さて 今日は 知る人ぞ知る ブランド の 【 クロイツェル 】 の お話になったので  大事なお話を ちょっと長くなると思いますが、 書きます。

先日 [ ピアノ好き ] と言う ニックネームで書き込みをして下さった方がありました。   時間が取れずに なかなかパソコンが開け無い時でしたので  一度は 携帯電話から掲示許可をしたのですが、 後からパソコン画面で 確認をすると  コメントを下さった記事が 少々古かったものの  そこに置いての コメント として掲示して 私からお返事を書く程度では 内容的に 大切な事が伝わり難いと思って  あえて 掲示 を取り消して  今回の ブログ内に取り上げます。
内容は  [ これは 韓国の 永晶楽器製 クリンゲルピアノではないかと・・・。 昔 ヤマハと提携していたので、フレームアクション・などが(弱音装置の構造も)ヤマハのU○Gの頃のデザインと同一と思われます。]  と 書いて下さいました。
ご指摘を受けた ブランドの 当時の カタログ(上下に掲載の写真)を持っていますので 掲載しつつ  誤解を招く文章内容と 写真の掲載に至った由縁を 調律師の仕事の一部についても 皆さんに知って頂けるチャンスでも有りますから  コメント欄ではなく ちゃんとお伝えしたいと思います。    


コメントを書いて下さった日に掲載した写真は “英昌楽器” (正しい表記はこちらです。) と言う 韓国のメーカーで作られたピアノの写真 です。   かつて このメーカーの多くの機種を毎日のように お客様の御宅に伺って 調律 をして  倉庫での検品などもをしていましたので  ピアノに対して ピアノとしての不具合を感じると  報告書も書き 改善をして貰うようにしていました。  ですから カタログも未だに 資料として 手元にあります。

さて このブログをご存知のお客様は ご自分のピアノの事を 「 どの様に 書いてもらえるのだろうか? 」 と 心待ちにして下さっています。
しかしながら 色々な事情があって 《 本当のこと 》 を きちんとお伝えする為には 信頼関係や 準備や 時間を要する事を必要とする場合が、 今回に限らず あります。
なぜならば 「 ピアノを譲って貰った 」 場合に多いのですが、 稀に 営業マンに聞かされた 間違った思い込みをなさっている場合  例えば、鍵盤が 象牙 である! アジア諸国で製造されたものでありながら 国産と説明を受けている等の場合があって  多いの場合に はじめてお伺いをして お話をしているうちに分かってくる事なのですが、 伺う前に前以て分かってれば  初対面であっても 事実をお伝えするように 心掛けられます。   しかしながら いきなり 単刀直入 にお話をする事で  折角 気にいられて 手に入れられたピアノや 搬入までに関わられていた方々との 《 信頼関係 》 に 大きく関わる事があるからです。

今回の ピアノは 親しい方から 『 国産のピアノ 』 として 譲り受けたものでした。   色々なお話を伺いながら ピアノの説明もさせて頂きますが、 特に親しい方から譲って貰っていた場合には  即答で 『 いいえ違います。 韓国の製品です。』と言う話は  「 正直に教えてあげれば良いじゃないか!」と思われる方も在りますが、 基本的には タブーとされます。    きちんと お伝えできる タイミング があれば  勿論 お伝えします。     ピアノのことが良く分からないままに ピアノを必要として 譲り受けている場合に 『 ドイツ製です。 』 と聞けば 嬉しさは倍増します。   しかしながら 『 韓国製です。 』 『 中国製です。 』 と お話をすると  多くの方が落胆をします。   たとえ 「 楽器として 優れていても! 」 です。  『 ヤマハ が 技術提携をしていますよ! 』 と お話をしたとしても 「韓国製は 韓国製」 なのです。
『 国産 』 と言って 譲って下さった 親しい方との人間関係・信頼関係への影響も 大きく出てしまいます。

娘の友人も お世話になっている方々にも 韓国の方や 中国の方は多くいます。  ですが、かつて100前に 日本が西洋文化を数年の内に取り込んだ際に生じた 勘違いなどを 現在進行形で アジア諸国でも未だにやっている所もあります。
英昌楽器の場合には ヤマハが技術提携していたと言うよりも  ヤマハで技術を磨かれた方々が 多く関わられた、と言った方が 正確かも知れません。  逆に言うと それなのに ヤマハのピアノ をメインに調律をしている日本人の調律師たちには その当時のピアノは 《 割り振り 》が難しいピアノが、少なくは無いです。   ですが、 数年を掛けて 楽器を育てる事で なかなかの個性的な響きを発してくれますし 現在では可なりのレベルのピアノや 部品を作っています。

ピアノは 持ち運びが出来ません。  ですから 新しい場所での家族となり スタッフとして  共に気持ち好く過ごせる環境を整える事も 調律師 の役目の1つとして 考えています。   結構 営業マンの適当な販売口上のお陰で 納品調律に伺ってみた時に 誤解を解きながら  腹の中では その営業マンを「殴ってやりたい!」と思う様な事も 何度も経験しています。   ゆっくりと誤解を解きながら ピアノとの信頼関係を築いていただく為の お手伝いを 調律師はする必要が、少なくないのです。   勿論 世の中には 優れた営業マンもいますので 『 何て 好いピアノをメンテナンス出来るのだろうか〜♪ 』 と 嬉しく思うこともあります。    営業マンのセンスと 人柄が、楽器選びに現れていると感じます。

かつてですが、 私が 新品の 韓国製ピアノを販売する時には 先ず最初に 『 韓国製です。』 と お話をします。  言い方を変えると「お話をする事が出来る」訳です。   そして ピアノ選びの中で 多くの場合に 予算 の問題が多いので 予算内の 国産ピアノの ちょとマイナーながらも 好い響きの新品 と 大手ブランドのしっかりと作られていた 古い機種 を比較しながら ご案内します。   調律師は ピアノの構造を知っていますし  後々 自分がメンテナンスを担当する際に 寿命の短そうなピアノや 大きな修理が発生するであろう中古の扱いの悪かったものは 売りたくはありませんから。   お客様の提示される条件内で 自分のピアノとして自分が買うとしたら〜!? と 思い描きながら ピアノ選びをお手伝いします。
 
お客様が お引越しなどを経て  新しい生活の場所で はじめて来たにも関わらず、 長年連れ添ってきた大切なパートナーであるピアノに対して いきなり「もう古いです。良いピアノが有るので 買い換えた方が良いですよ。」と言う 調律師の 尻拭いもしてきています。  以前 このブログにも書きましたが、 某ブランドの50年ほど経ったピアノのエピソードで そのメーカー社長自らの墨でのサインと 角印が 鍵盤に押されて有るピアノに対して 買い替えを進めた調律師との出会い以来 何年間もピアノを弾けなくなってしまった方と出会いました。  その方は『 ドイツ人の友人に「君のピアノはYAMAHAか?」と訊ねられて 「違うメーカーの古いピアノ」と答えると 「きっと素晴らしい音色だろうね!」と言ってもらったことで  貴女に来ていただく事にしたのです。』と 長年の苦しみを語って下さいました。
今回の クリンゲル のお話は 次回 伺った時に 驚かれる事無い様にお話をする準備の種蒔きをして 失礼をしてきていました。    ですから その日のブログに 中途半端な状態でのコメントを掲示する訳には行きませんでしたので  今日 あえて取り上げました。

「 じゃあ 書くなよ!」 と思われる方も有るでしょう。    2D の世界である パソコンの画面が、お好きな方は そう思われることが多いと思います。   でも私たち技術職の私は 基本的に 3D の世界のことを 2D の画面上に 文章 として  ピアノを知らない皆さんにもイメージをして頂けるように 色々な事を察して頂けるように務めながら 書いていますので  不足な点もありますが、 それをどの様に取るかは 読み手の皆さん次第でもあります。
ピアノの事を 物理的に 理論的にのみ書く気は 全くありません。   それを知りたいのならば 専門書を読めば知る事は出来るのです。
《 人としての ピアノ との関わりも  ピアノを弾かない 弾けない方々にも感じて頂きたい 》 と思って書いています。   気に入らなければ 私のブログですので ご来場をお断りいたします。
YAMAHA と KAWAI 以外にも  色々なブランドのルーツを知って頂きたくて あえてあの日に書いてあった内容ですので  悪しからず。   私は実家では KAWAIの音で育ちましたし 先生のお宅でのレッスンでは YAMAHAを使っていました。   現在 所有するピアノは イースタイン です。   古いYAMAHAは 好きです。  
私たち調律師の本来の仕事は 弾く方とピアノが、 末永く 共に過ごせる為のメンテナンスと 心地好い響き創り です。   「ピアノが好き」であるのならば、と ピアノを囲んでいる人たちの心を 互いに察する事を 様々な立場になってみて  特に演奏家の皆さんと お話をする事を増やしているこの頃です。