小休止をしながら細く長く輝く♪

夏日が続いていたのに 一変してからと言うもの 雨が続いています〜   随分と過ごし易くなったものの 湿度の高さには 楽器も 人間も 体調に変化を来してしまっているこの頃です。

山梨の名産の 葡萄畑 に囲まれるように建っている御宅へ 調律に伺いました。   遠方から運ばれてきた ピアノ は 【 スタインバッハ 】 と言う とても美しい 象牙の鍵盤 の ピアノ でした。   40歳ほどになる そのピアノは 暫くの間 眠りについていたそうですし  そして 以前過ごしていた家から 環境の全く違う 山梨の御宅へと やって来たばかりでしたが、 既に 動きはじめていました。
【 スタインバッハ 】 は 昭和14年に 静岡県浜松市にて創業を開始したものの  戦時中は 多くの ピアノメーカーがそうであったように 航空機生産の下請けをしていたので  戦後に ピアノ作りを再開した 平和楽器製作所 の ブランド です。   後に アジアの各地へと 輸出もしていました。  

象牙の鍵盤特有の それぞれの鍵盤の表面の微妙な違いも 年数と共に生じてきていましたので  鍵盤の 高さや 深さから 調整をし始めて 《 整調 》 の作業を進めていきましたが、 ご主人様が 立たれたまま 熱心に 見入っていらっしゃるので 『 お電話でお話をしま通り お時間を沢山頂く事となりそうですので  私の家ではないですが、どうぞ くつろいでご覧になって下さい。 』 と お願いをしました。
『 今の作業は 何をやっているのですか? 』 と 会話が生じ始めて ピアノの アクション の 動きを見て頂きながら 作業内容と その必要性をお話しながら 進めました。   更に ピアノの内部の 歴史に伴った変化や それに纏わるエピソード等も  会話の中で 自然と話題となりました。 

とても興味深く 楽しそうに見たり 訊いたりして下さるので  御約束の様な 『 奥様のご実家から移動なさったピアノでしょうか? 』と 訊ねると 『 いや、僕の方です。  妹が始めた時に レッスンにくっ付いて行って それが切っ掛けで始めたものの  バイエル で挫けまして・・・。  何とか バイエルは 卒業しましたが・・・ 』 との事でした。   『 でも バイエルが、やっとだったので・・・ 』 と 仰るので  『 家の主人も 姉と一緒に始めたそうでしたが、 バイエル入門半年ほどで止めた様ですから  ご立派です! 』 と 無意識の内の力んだお返事をしていました。  
《 バイエル 》 は 多くの方々が 「 一区切り 」と思われる 教本 である事は多くて  私自身は 入門は バイエルからでは無かったのですが、 小学生時代の引越しで替わった ピアノ教室では バイエルの途中の適当な個所からの スタートとなり  何故だか 確かに 苦労した記憶があります。


整調 を進めて ピアノの中を見て頂きながら  このピアノの個性的な 《 作り 》 をお話して  《 調律 》 の作業に入ったのですが、 今までに見た 【 スタインバッハ 】 の エンブレム の中では 特に そのデザインが美しく浮き上っているので  音を聴きながら眺めていると ふと そのデザインの内容が分かり 嬉しくなりました〜
さて 皆さんは どの様な意味合いを感じられますか!?


雨が降ったり止んだりのお天気でしたが、 山梨の有名な 石和の花火大会 の日でした。  
石和温泉は 昭和に入ってから 田んぼの真ん中から湧き出た温泉で  その当初は 近所の皆さんが、水着着用で 露天風呂(田んぼそのまま)を楽しまれた写真が残っています。   県内の 秘湯・信玄の隠し湯 の多くは 山の中ですが、 開けた土地に湧き出た温泉は 立待の内に 賑わう温泉街となりました。   中央道も未だ前線開通していなかった頃ですが、 はじめて家族と山梨旅行をした時は 雪の降る 冬 で 寒い中で 乗馬体験 をしました。   改めて その夏に 馬 に乗りに 家族で日帰り旅行をしたのですが、 当時は予想もつかなかった 東京への帰り車の 大渋滞(事故も起きていた!?)で 運転に疲れて仕舞った 父が 『 丁度 温泉街があるから 何処か空いている所を探して素泊まりして  朝早く帰ろう! 』 と言い出して 数件の温泉宿を尋ねると 運良く キャンセルが出た所が 直ぐに見つかったのですが、宿のご主人に 『 今日は 石和の花火だから 特に混んでいるんだよ。 』 と聞いて 思わぬ花火見物に肖った想い出があります。

帰路、 今まで 行きそびれていた 山梨県立博物館に 立ち寄りました。

山梨県立博物館とは編集

  先日 千葉県富里へのドライブのお話を書きましたが、 その帰りに立ち寄った 佐倉市に在る 歴史博物館(暦博) の館長さんが、 兼務なさっていらっしゃるので 興味がありました。   特別展の昆虫展が行われていたので 小さなお子さんを連れたご家族が、沢山 いらしていました。
時間的に 常設展だけを見たのですが、 チケット売り場の女性職員さんとの会話から始まって  場内の若い女性職員さんの 説明や 勉強をされて仕事されている知識や コミュニケーションは とても気持ちの好いもので  とても楽しそうに 嬉しそうに お話をして下さいました。
博物館は 幅広い年齢層に 何かを感じて 考えるチャンスを様々な方法によって 提示しているように感じました。   地元の人たちから見れば ガラクタと言えばガラクタに近いものでも 資料として 歴史的な背景と共に展示されて有ると  現代には無い ちょっと昔から とっても昔までの色々なものが、 生き生きとしていました。 因みに 県立美術館 の ミレー の展示室が リニューアルされてから数年が経ちますが、 そのことを意識されての 来館者へのコミュニケーション力の向上は 博物館の職員の皆さんと同様で  私の癒やしや 気分転換の場所へと変わりました。