大型でノロい台風のお陰でドライブとなったセミナー3日目です

セミナー3日目です。  今日の予定は オーバーホールが終ったばかりのグランドピアノを使っての 教授ご夫妻によるフルートとの演奏会や 清里の オルゴール博物館 HALL of HALLS の見学と オルゴール作りの体験と 清泉寮での ポール・ラッシュ記念館見学などを予定していたのですが、 非常に勢力の大きいながらも 速度の遅い 台風12号の影響で 東名高速道路の通行止めや 鉄道の運休なども 朝から起こってしまったので  早々に解散となってしまいました。   しかしながら帰るのルート選択を誤ると 帰宅難民となって仕舞うので 大学院生たちには 小海線に乗ってもらって 佐久平から新幹線に乗ってもらいました。  そして 最も遠くて 既に台風の影響が多くではじめている神奈川県と静岡県の県境の三島に近いお宅へ帰られる 名誉教授をお送りする事となりました〜  距離的には 都内往復と変わらないと思います。

晴れていたならば 富士山がとても美しく眺められる道中なのですが、 残念ながら 山の裾野まで行っても 土地勘が無ければ 「富士山ってココなの?」と思う様なお天気でした。  途中で リニアの実験コースの下をくぐります。  ちょっとした車内観光ですが、生憎のお天気で。   それでも 道中の車中では 話題が尽きる事無く 運転をしながらもとても楽しませていただきました。  名誉教授にお目に掛かって直ぐに 『 僕の父はね、YAMAHA だったの。 国会議事堂の家具なんかをね 作った職人さんたちのリーダーだったの。  更にその昔はね、 河合小市にハーモニカを吹いて貰って よく聴いたんだって。 とってもハーモニカが上手な方だったんだそうだよ。』 と仰られたので 『 YAMAHAの木工部が 国会議事堂の木工の調度品を手掛けた話は 今では知る人ぞ知る話になっていますよ!!』とお話をすると 『そうなの? 昔のことだからね。』と お父さまの仕事をとても誇りになさっていらっしゃる事が、素敵に思いました。
御宅に到着すると 現在は パリ管弦楽団の団員として活躍されていらっしゃるお嬢さまが弾かれていらした アップライトピアノを弾かせて頂きました。   【 カイザー 】 と言う ユニークなブランドなのですが、初期のものなので とても好い響きのピアノでした。

日本のピアノメーカーの多くは YAMAHAの流れを汲んでいて 多くの技術者を輩出してきました。  逆に 創業時からのライバルだった西川ピアノは 後に企業化したYAMAHAの吸収されるような事もありました。  その他にも 素晴らしい楽器を作り出したメーカーは YAMAHAの傘下に入ることが多々ありました。   KAWAI は YAMAHAから離れた河合小市が昭和2年に創立しています。  その他にも 関わりも持ちつつ 独立した職人達が多くいます。
この【 カイザー 】 は そんなピアノ製造業界のユニークな係わり合いの中で 生まれたブランドです。  河合小市の次女の養子となった 後に社長職について 多くの名器を生み出す滋氏の 義兄・河合晋氏が、日本楽器(YAMAHA)の天竜工場にオーダーして作られた楽器です。  晋氏は 京橋に 河合楽器と言う楽器店を出していたオリジナルブランドです。   KAWAIである河合ピアノ製作所が、YAMAHAに依頼したものではありません。 

調律カードに お世話になっている先生方の若かりし頃の仕事後に書かれたサインが並んでいました。  この下の方に 河合楽器 の詳細が書かれて有るのですが、 尻切れ蜻蛉の様な写真となってしまって 残念です・・・。
お別れする際に チャッカリと『 今度はお天気の好い日に遊びに来ますね! 』 とお伝えしましたので  調律カードの写真を取り直すチャンスを楽しみにします。   河合小市は 大好きなハーモニカの製造も手掛けられた事も お伝えしたいと思います。    戦国時代からの史跡も多く残る場所なので 散策に訪れたいと思っています。