専門ジャンルは違ってもリンクしている事の多いこと!!


セミナー2日目です。   今日は 大東文化大学教授で 作家の 中村邦生先生がいらっしゃいました。   昨日 ソフトクリームをご馳走してくださった 立教大学名誉教授の 1番弟子とも言える 立教大学文学部のOBです。

転落譚 (水声文庫)

転落譚 (水声文庫)

最近 出版された著書の内容から 文献学についてのユニークなお話を伺うことが出来ました。  しかしながら 発表者は 聴講する皆さんからの質問や 意見に対しての 補足説明を要するのですが、 大きな講堂で行われるセミナーとは違って 少人数ですと 座談会的な進行をしますので  伺うお話の内容に どんどんと肉付けがなされて より解り易く より深い内容へとなっていきます。   先生がお話下さった内容を書いてしまうと ネタバレになってしまうので 割愛します。  主人公の設定が とてもユニークですし 次々と読んでみたい本が見つかることと思います。  是非、一読してみて下さいませ。
序でに 皆さんの本の読み方などの様子も伺うことが出来ましたが、 私は多いときで 2ヶ月足らずの内に 文庫本を30冊以上読むことも有るのですが、 逆に興味深い内容の多いものですと その内容に纏わる資料や 本を複数 平行して読み始めるので 1冊を半年以上掛けて読むこともあります。

ノアのはこぶね(英訳つき)       

ノアのはこぶね(英訳つき)       

名誉教授からは 《 ノアの箱舟 》についての 出来事と そこから考えられる聖書の中の時間的な流れの読み解き方等を伺いました。   多くの人がイメージするようなものとは大きく違った ノアが作った 箱舟 の構造の描写だけからも 多くの意味を読み取れる事を知り  昨日の リルケについてのお話や 音楽などへの考え方や受け取り方を 昨夜の皆さんとの夕食会でのお話した内容と リンクされている個所が多くて  信仰心とは違った 哲学の世界に踏み込ませていただきました。   序でに 研究者として 教育者として関わられてこられた 多くの方々との想い出話にもなって とても楽しいものでした。

トマスによる福音書 (講談社学術文庫)

トマスによる福音書 (講談社学術文庫)

そして なかなか深く触れることが出来ずにいた 《 トマスの福音書 》 から読み取れる イエスキリスト像等についての お話を伺いました。   2000年以上も前に活動をした人物像を分析しながら どの様に何を伝えようとしたのか!?も含めながら 西洋文化の日常生活に溶け込んでいる多くのキリスト教的な習慣について 国民性についても 話題となって  信仰の対象としてのみの イエス・キリストや キリスト教徒の接点を見出されている方々からは 可なりのクレームとなりそうな 訊けそうで訊けない質問にも お答え頂きました。    以前に 娘の学校の宗教主任に 『 天地創造の前の世界は どの様なものだったのでしょうか? 』 と訊ねたらば 『 その様な質問をされる人の為に 鞭が有るのだと ルターは言っています! 』 と笑い話になりました。

そして 私が ピアノのご紹介と 日本でのピアノ作りについてのお話を簡単にさせて頂いたのですが、 昨晩の夕食会で 殆どの事を喋ってしまっていましたし 皆さんからの発表内容でも 音楽や芸術の関わる内容の延長上に 多くのものが含まれていて その度に座談会の様に  皆さんの感じ方や 捉え方も含めて 話題となってきていましたので  ピアノと言う楽器と接する仕事をする立場から感じることや 考える事などもお話をしました。   大学院生たちの世代では パイプオルガンの音は 生で聴くことはあっても  リードオルガンと言うものを見る機会も減ってきている様子でしたので リードオルガンのお話をしながら 日本にピアノが普及した経緯なども お話ししました。
教育や キリスト教に関わる皆さんばかりでしたので 義務教育において国公立の小中学校では 宗教をベースとした教育は禁止されてはいるものの 西洋楽器の 特にリードオルガンや ピアノの導入によって ミサや礼拝に近い形式で 楽器を利用しつつの 授業や式典的なものを進める形が固定的になってきていることにも触れてみました。

日常生活の中の当り前!と思われることに対して ちょっと違った角度から考えてみる事で 面白い発見が沢山見つかってくるものですね。