運転中のノイズ音の中から・・・


昨日のことです。
中央自動車道を走りながら 雑音の多い中で FMのニュースを流していると 『作家で精神科医でもあった 北杜夫さんが、亡くなられました。』と聞えてきました。

北杜夫の著書で はじめて読んだものは【 どくとるマンボウ青春期 】でした。  高校の先生が『最近、時間が無い振りをして 本を読んでいないようだから読んでみなさい。』と貸して下さったものでした。  当時は『音大の声楽科を受けなさい。』と言われることはあっても 未だ ピアノ調律師の道へと進む予定も無く、農獣医学部を志望していましたから バレーボール部と勉強と、読書以外の趣味に追われる日々を過ごしていました。  

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

ユニークなご家庭で ユニークな育ち方をされた方でしたが、 旧制松本高校で過ごした回想録のこの1冊は、昭和一桁生まれの両親の青春時代の話を聞いて育っていた私には、その当時の様子もイメージ出来ましたし  週末を山梨や長野で過ごす事が多くなっていて そのロケーションもイメージ出来たので とても印象深い1冊となりました。
その後は 何かと北杜夫作品を手に取ることが増えました。
夜と霧の隅で (新潮文庫)

夜と霧の隅で (新潮文庫)

幽霊―或る幼年と青春の物語 (新潮文庫)

幽霊―或る幼年と青春の物語 (新潮文庫)

偉大なる家族を持ち、医学と文学の道を歩まれて 人間臭くズッコケたと気も過ごして 晩年には お孫さんとの交流も書かれていました。
ローカルFMニュースの内容では 精神科医として山梨県内の病院にも勤務していたことも伝えられていました。
もしも未だ物理的に書けるのであれば、《どくとるマンボウ成仏記》なんて シリーズを書き続けそうにも思いつつ ご冥福をお祈りします。