ワインと詩の朗読〜♪

山梨は 皆さんもご存知意の通り 葡萄の産地です〜   
江戸時代から 今でも栽培されている《 甲州 》と言う品種が栽培されていたそうで 樹齢100年以上の甲州の古木を大切に守られている御宅もあります。 
山梨出身の作家・林真理子さんの著書にも 葡萄畑を描いた作品があります〜

葡萄が目にしみる (角川文庫)

葡萄が目にしみる (角川文庫)

本を読む女〈1〉 (大活字文庫)

本を読む女〈1〉 (大活字文庫)

そんな山梨は 早くから西洋の飲み物であるワイン作りに着手します。 明治10年のことです。  そして2人の青年が、葡萄の栽培と ワイン製造の技術を学びに フランスへと派遣されます。   その2人の姿と葡萄苗をデザインされたイラストは 勝沼のシンボルとして 中央高速道の標識にもなっています。

数多くのワイナリーがありますが、なかなか気に入った味のワインを見つけることは難しいものです。  京都に行った時に知り合ったとてもユニークな方から 『山梨に住んでいる人に山梨のことを教えるのも何なのですが・・・ 』と 教えて頂いた 丸藤葡萄酒工業?のワイナリー 《 ルバイヤート 》へ  予定よりも可なり早めに家を出て 目的地の甲府を通過して足を延ばして立ち寄ってみました。

近所の酒屋さんで 『丸藤のワイン、ありますか?』と訊ねると 一瞬考え込まれるのですが『 ルバイヤートありますか?』と言うと 直ぐに出てきます。  しかしながら扱っていないお店が多いので 小さなワイナリーであろうと想って行ってみると とても可愛らしい所でした。   運転をするので 非常に残念な事ながら 試飲は出来ませんでしたが、 見学を兼ねて 先日 高輪へ行った帰りの あずさ33号の発射時刻10分前にホームまで駆けつけてくれた高校時代のナースの友人へのプレゼントを買いに行きました。

ルバイヤート 》と言う単語は 高校時代の頃にでしょうか!? 聞き覚えのある「音」だったのですが、内容はすっかり忘れていました。   ここのワインを進めてくださった方の出身の国は 昔は『ペルシャ』と呼ばれていました。  その時代、今から1000年以上前の詩人 オマル・ハイヤームによる「四行詩」です。  英語に訳されたことから世界へと広まっていった名作ですが、シークスピアも知らなかったという逸話があります。 もしもこのハイヤームの作品をシェークスピアが読んでいれば、彼の作品への影響は大きかったとも言われています。 
本来の言語のイントネーションや発音などが、 日本の韻を踏んだり 七五調であるのと同じ様に 日本語に訳された視覚的に読むハイヤームの作品と 言語での作品は大きく違うはずです。   ハイヤームのほかにも 後にルバイヤートの形式の詩を書く詩人達が増えて行ったようです。
宗教的に戒律の厳しい国で ハイヤームは自由に自分の心の内や思いを ワインと共に書き連ねています。
ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

ワイナリー《 ルバイヤート 》のブランド名の由来となったものは ハイヤームの詩集133の作品だそうです。
高校時代に『星の王子さま』の英語訳をしましたが、フランス語を英語訳されたものを日本語訳にするので 非常に困難な箇所が多くありましたし 「きっと朗読された原書は 意味が分からなくても 美しい響きなのだろう」と想いました。


増築されながら現在に至っている建物なのだそうですが、瓦屋根に洋風なデザインものを取り込んであったり 1枚1枚見ると懐かしいゆがみのある 多分、大正時代のガラスと思われる物も見つけることが出来る素敵な空間です。   電球の傘は 少し昔に作られたワインの瓶でしょうか!? 上手に工夫して加工されてあって 「ナルホド!」と思いながら その光の暖かく感じる色合いが ほんのりとしていて好かったです。    薄暗い樽や瓶詰めされたワインの貯蔵庫を進むと

素敵なステンドグラスが、トンネルの出口のように明るく待っていてくれます。   4つの構図から出来ていて 四季のワイナリーの様子がモチーフになっていました。
そのステンドグラスの扉を開けると 直ぐに葡萄畑が広がっていました。  そして 順路を進むと 葡萄果汁からワインへと姿を変える発酵タンクがあって 丁度、新酒の瓶詰めの準備のろ過の作業をされていました。  見学させて頂いた時は 1回目のろ過の作業中で もう1度ろ過をして 『明日来れば、新酒の瓶詰めの工程に移っていますよ。』と教えて頂きました。 『お車ですか? じゃあ、試飲して頂きたかったけれど 残念ですね・・・』と言って頂きましたので 『店頭に新酒の瓶を見つけたら直ぐに飲んでみますね!』と笑いあいました。

入口の売店で 様々なオリジナルワインの試飲ができます。

甲府へ行ってから 『ルバイヤートのワイナリーに寄って来ました!』と話をすると 数名の方はご存知のワインでしたが、『美味しいから好きで飲んでいたけれど ブランド名の由来までは知らなかった・・・。もっと味わって飲む事にしよう・・・。』と呟く人在り、『お酒が飲めないのですが、プレゼントにしてみたいと思います!』とワイン談議になりました。