新木場での研究会と築地散策〜ちょっとだけ銀ブラ♪

やっと 標高900m付近にも 春 が訪れました。  仕事柄、色々な所へ車を走らせますから 同じ日なのに 様々な季節が楽しめます。  少し前ですが、川越へ伺った時には 丁度 『 お花見しようか〜♪ 』 と言いたくなるような風景で 暖かい日でしたが、その日の それ程に遅くは無い 夜 に戻ってくると 我が家は 雪 の中でした…。

我が家の庭の コヒガンサクラ が、咲き始めました。
数日前に やっと冬用のスタッドレスタイヤから 夏用のノーマルタイヤに履き替えました。  それでも 標高1200mを超す場所では 朝方の路面凍結があるので 完全なる安心ではない季節の変わり目の時です。

このところ お引越しをされて来られたお客様や ピアノを移動して環境の変化によるストレスで バランスを崩したピアノの 持ち帰っての修理作業が多くて 『 今日は お家でお仕事だよ。』とか、 特に寒かった冬の影響を受けてバランスを崩したピアノ達の現場での修理作業が多かったので 時間が長引くことを想定して 『お留守番よろしくね!』の連日でしたから 早速、NOЁL は 外犬ALEX と連係プレーで 『オヤツちょうだい! おやつは此処にあるよ!』を繰り返して 花より団子状態だったので モデルのお仕事をして貰いました。

社団法人 日本ピアノ調律師協会 関東支部には、《 和音倶楽部 》と言う 女性の研究会が、あります。  10年ほど前ですが、男性協会員の指導で 小さかった子供たちも参加して オカリナ を作ったこともあります。
今回は ピアノの多くの部位を占める 木 についての勉強会を 新木場駅南側から見える 一番背の高いビルの 《 NPO法人 木材・合板資料館 》http://www.woodmuseum.jp/ にて 開かれました。

年々 女性会員が減少する中で 今回は 企画内容もユニークでしたので 「関東支部だより」発送と共に 全会員へ通知したところ 多くの男性会員も参加して 賑やかな研究会でした。

多くの調律師は 製造の事も学んできてはいますが、製造工程に入る前の ピアノの部品へと加工される様々な原材料については 触れる機会が少ないので 木造物理学と言う 聞きなれない物理学を研究されていらっしゃる 東京大学名誉教授、北大名誉教授の先生方のお話を拝聴しました。

一般的には 「材木」と聞いてイメージしやすいものは 「大工さん」「家」「家具」などの 日常生活に不可欠なものが多いと思います。  日常生活の中の インテリア家具の延長線上に思い浮かべられがちな 楽器のピアノを始め 多くの楽器も 元は材木から作られています。
グランドピアノの あの美しい曲線は、構造上の関係から出来上がったラインではありますが、 より美しく見える様に 各ブランドで 個性を出している箇所でもあります。  美しくあると同時に 強度が求められますが、 木材の特性を生かしての加工が為されています。  その加工は 木材に興味のある方ならば、「ナルホド!」と思う方法なのですが、 『 なぜ、その様な工程を 時間を掛けながら加工していくのか? 』を考えると 知らない事も多くあります。  樹木の 細胞単位の次元にまで 思考を膨らませると 昔ながらの木工職人さん達の知恵と技術の意味が分かってきます。
生木が乾燥していくうちに 抜けていく水分の影響で 歪みや割れなどの狂いが生じてきます。  我が家も在来工法なので 季節の変わり目には 《家鳴り》と言われる 木と木の接合部などから きしむ音がします。

このマシーンが この資料館の目玉でもあるのですが、《 合板 》と言われるものの多くは 木目の方向を 90度変えて重ね合わせて 強度を出せる様に作られますが、 多くの樹木の太さは限られていますので 作られるその合板の幅も はぎ合わせ をしなければ、限られてしまいます。  《 LVL 》と言う合板は 木目が同じ方向を向かせて 接着していますが、多くを接着させたり 接着剤の研究などからも 本来の無垢の材木よりも 強度を増すことが出来るそうです。  デザイナーの作る家具などが好きな方は 既にご覧になられたことがあるはずのものですが、 色の違う何層にもなった椅子の脚などが、それなのです。  少し前に流行ったので ご存知の方も多いと思いますが、バタフライスツール http://www.designshop-jp.com/item_detail/itemCode,2101000001702 も LVLを生かして作られているものがあります。

木材は 製材所で 木目方向に沿って 直線的に切断されますが、 このマシーンは 丸太のまま 木目方向を横に向けた状態で 大根などを切る様に かつら剥き にして 幅の広いロール状のシートに加工します。  お菓子の バームクーヘン は 何層にもなっていますが、それが グルグルとつながっている様子をイメージして見て下さい。  更に これまでは 丸太を回転させるために中心にリムが打たれていましたが、 それでは 丸太を支えるリムの太さ分だけのロスが出る事から このマシーンは 回転が始まると 外側から3本のローラーで 丸太を安定させて 1本はスパイク状のローラーで確実に回転を着ける仕組みになって居ます。  ですから 最後に残る芯は 人の親ほどの太さの まるで小枝の様なものです。
材木の木目方向に逆らって 横方向に鉋を掛けようとする場合には、材木を湿らせなければ 美しく削ることが出来ない事を利用して 生木の乾燥していない丸太の内に 加工ができるという 優れものなのです。
先日の 別の研究会の時に 気になって居た事を こっそりと伺ってみたらば 木材の特性を教えて下さったので 自分の思ったことを伝えると 楽器好きの教授は ピン!とくることがあったかの様に ご意見も伺えました。
資料館の先生方、皆さん 有難うございました。  とても面白かったのですが、 伺いそびれた事も多くありますので 近々に 個人的に先生方のスケジュールを窺って 改めてお邪魔したいと思います。 


久し振りに 工具を持たずに JRで 移動したので 狭い東京を 「歩いて散策しよう!」と思って居ました。 車でしたら通りすぎる事が多い 新木場から遠くない 築地界隈のスポットを当てたところ 築地本願寺本堂に パイプオルガンがある事を知り 見学をお願いしたところ 改修工事中ですが、自由に入れるとのことでしたが、 丁度 法要が営まれるために 一般の人が入れない日との事をお伝えくださった僧侶が「また機会を作って お越しください」と 繰り返して仰って下さり 聖路加病院礼拝堂や 築地カトリック教会のパイプオルガンの事も お話して下さいました。
聖路加病院礼拝堂は、清里清泉寮を創立した ポール・ラッシュの貢献もあって 設立に至った病院でもありますし ステンドグラスのとても美しい 天井の高い祭壇があるので 以前からとても気になる場所でした。  基本的には 教会なので 一般の方でも立ち入ることはできますが、 病院内のチャペルなので 日常的に 様々な思いを抱えられた患者さん達が過ごす場所の一つなので なかなか行く事を思いつかなかったのですが、今回は 事前にお願いをして お邪魔をさせて頂きました。 
オルガンの練習は 終わって仕舞っていたので 音を聴くことが出来ませんでしたが、 偶々通られた職員の方に 声を掛けると 演奏する 2階席まで 案内して頂けて 3段の鍵盤の それぞれデザインの違いを見せて下さったのですが、黒鍵は 寄木細工になって居て 全体のデザインが、チャペルの設計に合わせて作られていること以外にも 細部へのこだわりの深い楽器であることを知ることが出来ました。  案内をして下さった Nさんとお話をしていると 何処かで擦違っていたのかも?と 思える位に キリスト教聖公会の世界も狭くて 共通の知人が多く 懐かしいお話も出来ました。  そして 献金のお願い用に作られた 教会のポストカードをお土産に下さいました。
新富町駅から どの様に新宿へ向かおうか〜?と 考えながら 銀座方面に歩き出して 東京駅まで 久し振りに アスファルトを歩きました。