節目の時は重なるものですね

未だまだ 日差しは強いですが、少しずつ 車の窓を開けて 風が心地好く眼じられるようになりました。 時々は 金木犀の香りも漂ってきたり 道端で咲く彼岸花を見かけたり 風景も楽しみながらの運転日和です。
さて 皆さんは、どの様な秋を楽しまれていらっしゃいますか? 
先日は 岐阜清流国体の様子をお届けしました。 自分自身が、汗を流してスポーツを楽しむことは 月に数回の テニスくらいとなりました。 テニスは、歳の離れた長姉が、学生時代に部活やサークルでやっていたので 未だ 小学生でしたが、打ち方を習って遊んだことが初めての経験でした。 木製のラケットを使っていて フレームがゆがまない様に 使用後にはケースでは無くて 蝶ネジの付いた枠を使っていた時代でしたので 頻繁に使わせてもらえるようなものではありませんでした。 

秋に限らず、年間を通して 何かしらのスポーツを続けてきていましたが、社会人となって 結婚をして 子供を産み育て始めると 特に女性は スポーツや 習い事から縁遠くなって仕舞いますね。 
我が子たちは 山梨へ越してきた時に 初めて出来たお友達からのお誘いがあって レスリングと出逢いました。  そして 全国大会と言う場所へ行く経験を積むことが、出来ました。 1つのスポーツを続けることが出来ないままに 大人となった私にとっては とても羨ましいことです。 レスリングは 世界最強の女性・吉田沙保里さんの影響もあって 年々 女子の競技人口が増えていますが、かつての県内では同じくらいのレベルの女子が居ませんでした。 全国大会などで知り合えた他県の方々が、練習に誘って下さって チームのチビッ子達と合宿に参加させて頂くこともあり 沢山の出逢いを作ってくれました。 そんなチビッ子チームの練習場であり 息子にとっては母校となった高校へ 「金メダル獲得報告」の為に 米満くんが来ました。  現役のレスリング部の保護者の方々や 元チビッ子レスリングに居た生徒の保護者の方からのお誘いもあって 久し振りにお母さん方とも会えることを楽しみに 高校へお邪魔をしました。
学校の先輩が、 オリンピック選手にして 金メダリスト! という事は 生徒たちにとっては、可なりの衝撃だと思います。  「高校3年の時に『オリンピックで金メダルを取る!』と思って 現実となりました。 だから 今からでも 夢を持って頑張れば、その夢は叶える事が出来ます!」と 熱いメッセージを届けてくれました。

報告会が終わってからは、 懐かしい先生方と記念撮影。 
「米満、今日だけで サイン何枚書いたの?」 「あ〜、今日だけで 多分 100枚くらいです!」 「そんなところに悪いんだけど 後、3枚書いてくれるかな? 1枚は、ロボコンで世界大会目指している息子へ送るから。 世界へ行って 勝てるように!と 娘の大学合格祈願も含めて ご利益を頂戴な。」 「ロボコンの世界大会、目指してるんですか??」  
レスリング部出身で レスリング以外の事で 進学をするOBが少ないので 驚かれましたが、監督が、紙を出して下さって「古宇田さん、HideとMoeの名前をここに書いて下さい。 達弘、はい 書いて。」と レスリングを始める切っ掛けを作った母校の監督命令。 何と可愛そうな金メダリストでしょう…。
自分の身体を動かす時間が少ない私ですが、しっかりと《スポーツの秋》を楽しんでいます。


そして《芸術の秋》も 仕事のご縁から 更に多くのご縁を含んで 楽しませて頂きました。

毎年恒例となった ホームコンサートの調律のご依頼を 今年も頂きまして お伺いをしました。
【 ルビンシュタイン 】と言う 50年ほど前に作られたピアノです。  昭和10年頃に 横浜の保土ヶ谷で 製造を開始したブランドです。 私の恩師方が師事した 森 健先生も製造に関わられていました。 昔のピアノ製造業界・調律師は、技術者同士の繋がりが強くて 多くの方々が 楽器の製造開発に関わられています。 ルビンシュタインは 後に浜松へ移って かつては YAMAHAをしのぐ 数々の名器を創り出した 天竜工芸の母体となりました。 調律の技術を学ぶ学生時代に【クロイツェル】と言うブランドを作る工場でお世話になった時に 天竜工芸で作られた【ムーンライト】と言うピアノの修理のお手伝いをさせて頂いた事がありますが、 ユニークな経歴を持つ師匠方に指示できたことで 日本のピアノ製造の歴史を学ぶ切っ掛けを沢山得ることが出来ました。
社会人となって 特に 限られたブランドの会社に勤める事が無かったことが手伝って 実に多くのブランドのピアノ達との出会いをすることが出来ました。 勿論、ピアノの年齢も幅が広くて 使われ方も 置かれている環境も様々でしたので ピアノ達から多くの事を学びました。 

山梨へ越してきた時は、元々 幼い頃からご縁のある土地ではありましたが、ピアノ調律師としては 地元出身でも無く 全くの《 0 》からのスタートでした。  アピールの方法を色々と考えて 思いついたものが、 当時は 月1回発行されていた地域新聞の《八ヶ岳ジャーナル》http://www.webtoday.jp/ への 広告掲載でしたが、 定期的に 毎月の掲載となると 「広告料が、大変じゃないの?」と 編集長に心配をして頂く位に 人口も少なく 他県からの転入者の自営業での仕事獲得が大変ではありましたが、「続けなければ意味が無いから 広告料を稼ぐことから頑張るので 先ずは、1年間の定期掲載をお願いします。」と なりました。 そんなスタートでしたが、年々と お客様との出会いに恵まれました。 
【ルビンシュタイン】と ご家族の皆様にも 出会うことが出来ました。  更に 不思議なご縁は続くもので ホームコンサートには 姉のような存在であり 我が子たちが数年前まで「世の中には お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは 3人ずついる」と信じ切っていたほどにお世話になったお仲人さんのお嬢さんが、出席されていました。 昨年は 「では、明日の本番に 又 お邪魔を致します。」と 調律の作業を終えて帰宅すると ナースをしている友人から 「さっきね、お祖父さん、お家へ帰ったよ…」と連絡を受けて 昨年はコンサートの翌日に 親族席に座らせて頂いてのお通夜を一緒に過ごしました。 眠る様に息を引き取られたので お通夜の時には 「祖父ちゃん、むくっと起き出しそうだね〜!」と 突然の事だったので驚きと悲しみの中には在りましたが 昼寝をしているかのような表情から 返って 幼い時から可愛がって貰った想い出が蘇りました。

さて 今回で 7回目を迎えられたホームコンサートですが、準備に伺うと 特に今年の天候の影響が、大きく響いて仕舞ったのか!?  ルビンシュタインが、調整作業を開始してから どんどん表情を変えてしまいます。 「どうして ご機嫌が悪いのかな? 何が、大きな原因なのかな?」と 特に湿度や気温が、似たように高い夏だったこの3年間ではありましたが、 その分だけ 湿度も気温も大差ないながらに 昨年や一昨年とも違った変化が生じて行くので 「風の通りが好かったことが最も大きな違い」と考えられました。 しかしながら その変化の大きさに 驚くものがありました。  そのまま仕上げていく事も考えましたが、大きな変化を生じているので 演奏者にとっては困難であることには違いが無いので 年数が経って変化を生じている数か所の部品を交換して 内部機構のアクションの調整を大きく変えました。 そして「やっと纏まったかな?」と 調律作業も終わりを迎えつつ有ったころになって 新たな変化!!   連日通っての調整修理作業となりましたが、 別の原因の様なものが、何かあるように感じた時、 ホームコンサートの主催の方から 「今回で 一旦、最終回とするんです。」との お話がありました。 その途端に ピアノにも その事が分って居たかのように感じられるものがありました。
リハーサルが、始まったものの 未だまだ どんどん変化を続けます。 お邪魔にならない様に作業を続けてみましたが、やはり「最後」と言うことが分って居るかのように 近い将来に 全く弾けなくなってしまう訳では無いのですが、表情だけで無く 様子が変わりました。


そして迎えた本番です。
ソプラノ歌手の周藤容子さん はじめ バリトンの五十嵐正一さん、ヴァイオリンの松田文さん、そしてピアニストの矢崎貴子さんの 《 レガーロ 》 http://www.regalo-music.com/foglia/index.html による 名曲の数々が、集まられた皆さんへ届けられました。  ピアニストの矢崎さんの 彼女ならではの 楽器を生かして下さる弾き方が、ピアノへ それまでの変化とは ちょっと違った表情へと変えて行って下さいました。
JRに揺られて 長時間座ってこられた演奏家の皆さんの身体は 思う様には ウォーミングアップが困難な様子でしたが、「さすがは本番!!」 と 演奏会の後に 皆さんとご一緒させて頂いたバーベキューでは、演奏の濃さと 個性的な解かり易い解説を織り込んでのトークの話題となりました。  年に1〜2回 このホームコンサートで皆さんと共に過ごさせて頂いた時間は、とても楽しくて 多くの刺激を頂くものでした。  個人のお宅でのホームコンサートとは思えない程に 大きな『おもてなし』の心で 時間を掛けて エネルギーを注がれて 出席者の方々のご協力が有ったり 準備を進めてこられていらしただけに 最終回を迎えましたことは残念ではあります。
「 こんな素敵な出会いに恵まれた時を下さって 有難うございました。 そして お疲れ様でした。」
今年も 土地の食材を使って工夫を凝らして手作りされた ジャムを沢山お土産に頂きました。 1つ1つの蓋をあける瞬間が、楽しみです〜♪ 
只々、感謝 です。