様々な「からくり」

古い ピアノ や オルガンや 様々な楽器 との 出逢いが多い中で  作られた 時代 の様子に 興味を持っています。   
ある雑誌に 某メーカーの ピアノ広告が載っていて   小学校に入学したくらいの女の子が ピアノの横で ピアノと背比べをする写真があって これから初めてピアノを弾き始めるお子さんへの おススメする 背の低い アップライトピアノ の広告がありました。  結局は ピアノを置くスペースは 同じな訳ですから  アップライトピアノの タッチ 的には サイズの大きめの アップライトピアノの方が、 好ましいわけですから  後々にサイズの大きな(背の高い)ピアノに 買い換えて貰う事を 念頭 に 設計されてあって  それが、現代の ピアノメーカーの 販売方法 の1つとなっているのでしょう。
戦前の 古い カタログ を読んでいますと 当時も 色々と考えられていて  他のブランドとの競走を伺うことが出来ます。   販売されている楽器もユニークで  鍵盤として 手前に出っ張った部分を 格納 出来て  弾かない時には 箪笥 のような形となる アップライトピアノも 作られていました。  更には 二段鍵盤 となていて レッスンの時に 大人 が、上の段の鍵盤を弾いて 小さな子どもは 下の段 の鍵盤を弾くような ユニークな発想の アップライトピアノも作られていました。   これらは 日本にピアノが伝わるよりも以前の 可なり早い時期 に  既に 色々と試みられていた事ではありますが、 元々の ピアノ そのものが、 海外の部品を輸入して組み立てたり 楽器をコピーする事から 始まっていますので  昔の職人達の 観察眼や 技術力の高さに 関心します。
日本人の 手先の器用さや 技術力の高さは 様々な形で 現代に残されています。  ただ、残念に思うことは 技術の伝承 が、 困難になっていることは 何処の業界でも言われています。



江戸時代の「からくり」は 多くの方々が、 写真で 1度は見たことが有ると思う お茶を運んでいく人形 等がありますが、 こちらは 《 六角和時計 》 と言う からくり の 時計 です。    《 田中久重 》 と言う 九州・久留米にて 1799年(寛政11年)に生まれて 1881年(明治14年)に亡くなった 幕末に活躍をした 技師 の作品です。  定刻になると オルゴールが鳴り出して 人形が回転する 日本でも 3台 のみが、 現存しているものだそうです。   からくりの技術で 天球技 等も作り 現存するものは 需要文化財に指定されています。   当時の その技術の高さから 《 からくり儀右衛門 》 と呼ばれたそうです。       http://kagakukan.toshiba.co.jp/manabu/history/spirit/clock/project/skill_j.html 


写真が ボケてしまっていますが、 こちらは 《 紙腔琴 》(しこうきん) と呼ばれる 1894年(明治27年)頃に作られた 日本製の オルガネット です。  紙製の ロールに 穴が開けられており その穴を利用して 中に組みこなれている リード を鳴らす仕組みになっていて 《 戸田欽堂 》 と言う 政治活動も行っていた実業家が、 西洋の 《 自動手風琴 》(オルガネッタ)を参考にして  1892年(明治25年)に考案したものです。  と 説明すると 「何でその様な職業の人物が?」と 思われることと思いますが、 戸田欽堂 は クリスチャンで 聖書等の輸入販売の書店として  銀座の 《 十字屋 》 を 創立した人物です。  後に 横浜で リードオルガンを入手したことを切っ掛けに 日本で初めての 西洋楽器販売店 となりました。   この《紙腔琴》は 《西川オルガン》 で 作られていたそうです。

小中高校では 歴史の テスト が、大嫌いでした。   書かされるものは 年号ばかりで 数字の丸暗記をすれば 点数が取れるものではありましたが、 その丸暗記が 苦手でした。   例えば 「 鎌倉幕府が、何故 鎌倉 という土地を選んだのか!? 」 等であれば 当時の戦法や 地形的な条件や その様なことの方に 興味が行くもので  その前後の武将達の相関図等も知ると 現代の地図ではありますが 広げて  様々な思考を楽しむことは 好きでした。   今時の言い方の 歴女 ではありませんが、 楽器達と共に 世界史や 日本史を遡りながら 読んでいくと 『 昔の人たちは アクティブだった!! 』 と 感心させられます。
そんな風に 音楽とも接してみながら  昔の人たちの様子を思い浮べながら 鼻歌を歌っているうちに 『 音楽、苦手・・・ 』と言う人も減るのではないでしょうか?

図説 からくり―遊びの百科全書 (ふくろうの本)

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