ピアノ線とミュージックワイヤー

mukku38682010-11-28

今日から 【 アドヴェント 】 に入りました〜☆    今《 アドヴェント・カレンダー 》 は クリスマス・プレゼントを楽しみに想う様なものを飾ってみました。 12月1日から 1日 1つずつ窓を開いていきます。クリスマスに因んだ イラストが、現れます!    クリスマス・イヴの24日に開く窓には〜!?    お楽しみに〜☆ 

冬になる ちょっと手前の風景を眺めながら 日々、車を走らせています。  景色も 音楽も その瞬間の美しさを感じる事が出来た時、言葉には 表せない 喜びがあふれ出します。  作り出そうと想っても 創り出せないエネルギーを感じます。   ピアノの調律も この様な自然の影響を受けやすい場所では 人為的に ねじ伏せ様とすると 楽器に反撥されるかの様な事に至る事があります。   勿論、仕上がりのイメージを持ちながら作業はしては居ますが、天候や 気圧なども影響を及ぼしているのでしょうし 楽器そのものが、意志を持った様に バランスを取り始めます。 


先日、トマト農家の知人から『 《 ピアノ線 》を分けて貰えないかな!? 』 と電話を頂きました。 用途を尋ねると 『 付加した芋を スライスするのに 細くて丈夫な《 ピアノ線 》を思いついたんだけど〜! 』との事でした。  《 干し芋 》を作るようでした。      子供達が小学校からの帰り道に 近所のお婆ちゃんが、庭先で 皮を剥いて蒸かしたばかりのサツマイモを頂いて来た事がありました。
一般的に《 ピアノ線 》と呼ばれる丈夫なワイヤーと ピアノに使われているワイヤーを 調律師は区別して 【 ミュージックワイヤー 】と呼びます。  ドイツの レスロー社 と 国産では スズキ の ミュージックワイヤーが、有名です。
【 ダイヤモンドダイス 】と言う スチール ( 最近は ステンレス等もあります )の 太さを均一に伸ばせるものを使って 表面に傷を付けない様に製造されています。  それらの太さは 0.025mm毎に 番手と呼ばれる数字で 太さを表しています。   ピアノ本体に 断線時に備えて書き込まれている事が多いですが、書かれていない時には 《 マイクロメーター 》と言う計測器で測ります。    大雑把に言うと ピアノの中音部付近の弦の太さは 約 1mm程です。

ピアノの 弦 は 70kg 80kg 90kg〜と テンション(張力)を常に掛けられ続けていて 更に演奏時には ハンマーで叩かれ続けます。  そして 音の音色にも 影響を受ける事が無い様に 錆 に対して 細心の注意を払います。  元々は クルクルと巻かれたワイヤーを 楽器の一部とする時には 軍手などをはめて 人間の手の汗の塩分や 汚れを付けない様にします。  張弦されたばかりの ミュージックワイヤーは 非常に『伸び』ます。  丈夫で堅いワイヤーでも 毛糸などを引張った時に伸びる様に。   スチール弦の張弦作業後には 早く弦を伸ばし切る様な作業をします。 コンサート等の前に 万が一 断線してしまった場合には 可能ならば奥の手を使って 切れた弦を利用することがあります。  その位に 弦が伸びてしまい と同時に 音が、不安定な状態となります。  

低音部の 《 巻線 》と呼ばれる 弦は スチール弦の表面に 銅線をキッチリと巻きつけ 重たくして 低い音を発音出来る様にしています。  最低音部の 弦は 銅線を二重に巻いてあります。
丈夫な 弦ですが、弦振動などの影響で切れてしまったり 低音の巻線は スチールと 銅の比重や硬度の違いが、弦振動によって影響を及ぼして 《 ジン線 》《 ボン線 》と呼ばれる雑音が、混ざってしまったり 響かない弦になってしまうことがあります。   その様な時には 弦を張り替える修理を必要とします。
使えなくなった最低音部の 太い巻線を鉛筆くらいの長さに切って 銅線が巻いて無い部分のスチールを グラインダー等で削って尖らせたり U の字に曲げて 細かな作業時に使う工具を作って 『 再利用 』することを 恩師の先生方から教わったものです。   そして 『 使い易い工具作り 』 の競走をしたものです〜♪